134-"しょうくん" ページ35
-※捏造有り
ある２人のヒーローを襲った悲劇。あれは、確か……私の４歳の誕生日当日だった。
それの直後は、まだよく事態を飲み込めてなかった。ただ、冷たくなる２人を温めようと抱きしめていた。
それからは、個性の皆が私を生かしてくれた…と言っても過言じゃない。心に空いた穴を塞ぐには、それなりの時間が必要だったから。
その時だったかな？
轟くんに＿＿＿"しょうくん"に初めて会ったのは。
-
「どおして泣いてるの?」
「っう…あ、なた、だれぇ?」
嗚咽と共に振り返れば、そこに君がいたね。
その時の私は、とにかく個性の皆の前では笑顔でいて、心配させないようにしてた。…でも、ずっとは無理で。
たまに１人になれる所で泣いたりもしてたんだ。
「僕は焦凍!」
「…わたし、はA……悲しいことがあったから…っ、涙でちゃって」
「……がまんしなくて良いんだよ」
君は＿＿＿私が頑張って浮かべた笑顔を見て、初めてその言葉をくれた。冬、冷たい風が私たちに吹く中で…一瞬だけ春が来たみたいだった。
それから、私たちはどちらともなくこの場所に訪れるようになっていった。
……いや、正確に言えば私が、かな。
「あっ!しょうくん!!」
「……Aちゃん」
「…なんか、元気ない?」
「っ〜!もう嫌だ……」
毎日毎日、個性の皆に「お散歩だよ」、って嘘ついてココに来てた。月に１回会えたらいい方で、全然会えない季節もあったけどそんなの気にしてなかった。
＿＿＿異変に気がついたのは５歳になってからだった。
しょうくんは、今までずっと笑顔で私に会ってくれてた。ニコニコ、こっちの心がポカポカするくらいの素敵な笑顔で私も回復して。
けど、最近は何て言えば良いのかな？笑顔が減ってて。それこそ、前の私みたいな感じの雰囲気だった。
立場も逆転して、泣きじゃくるしょうくんの背中を優しく摩ってあげたりした。
「Aちゃんは…ヒーローになりたい?」
「……うん。私はカッコいいヒーローになりたい!…しょうくんは?」
しょうくんが私に会いに来る回数は月を重ねるごとに増えていった。
-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すずな - 響さん» コメントありがとうございます🥰夢主ちゃんめっちゃ可愛いですよね〜！！ (8月10日 11時) (
レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
響 - めちゃくちゃ面白くて一気に読んじゃいました！！！チート夢主ちゃんかっこかわいくてすきです笑 次の更新気長にまってます✨ (8月9日 19時) (レス) @page36 id: 78bf574804 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すずな | 作成日時：2023年7月13日 1時
