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「霞の呼吸」
「弍ノ型」
「は、……むいちろっ、やめっ！！」
「八重霞」
無一郎が振るったその一撃は、呆気なく私の糸を絶った。
困惑。焦り。そして、ちょっとの怒り。
なんで？私は無一郎のために…ひいては皆のために頑張ったんだよ？
落下する風圧でハチマキが宙に棄てられていった。
……でも、もう取りに行く気さえ起きないや。
それに、騎手は地面に足ついたら負けになっちゃうから、私はここで脱落するんだろうし。
「諦めんじゃねェ！！」
＿＿＿刹那、誰かに受け止められた。
服を着ていない上半身、年季の入った猪の被り物。
それを見て、自分が俵を担ぐ様に持たれていると理解した。
「いのす…け」
「まだ終わってねぇ！！まだ……足、ついてねぇ！」
ハッとする。
声を震わせる伊之助に、何か大事な物を気づかせられた気がしたのだ。
「A……僕たちと一緒に…勝とう！！」
無一郎が横から騎馬に加わる。
「俺たちは…お前の仲間 だからな」
小芭内もやってきて、私はまた上げられた。
「でっ、でも……ハチマキ全部落としちゃったし…もう…」
「安心しろ。それなら無事だ」
「…な、んで……」
鏑丸が咥えていたのは、私のハチマキだった。
震える手でそれを頭に括り付けると、景色が一変した。
「「頑張れ〜〜！！」」
「もっかい全部のハチマキ掻っ攫っちゃえー！！！」
「個性の人たちもAちゃんもかっこいいよぉ〜！！」
＿＿＿今、観客の方々の目を集めてる。
私の皆が認められてる。
「……このまま逃げ勝ちなんて、やっぱやめにするね。
私の皆はもっと凄いんだって証明してやる！」
-
116-きっかけ１つで* ページ17
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間違えた……
手に握られた出久のハチマキだと思っていたモノを思わず投げ捨てる。
「ッ……とらなきゃ、ちゃんと全部とるんだ…」
指先に神経を集中させて糸を手繰り寄せていく。
より強度をあげれば、ハチマキを取れるはず。まだ時間もある…よね？
「よし……いけるッ！」
中心が空いているから、そこに糸を集める。そこを滑って跳べば死角から攻められる…おっけー。
思いっきり糸を放つ。
と、同時にその糸の上を滑り降り始めた。
「弍ノ型」
「は、……むいちろっ、やめっ！！」
無一郎が振るったその一撃は、呆気なく私の糸を絶った。
困惑。焦り。そして、ちょっとの怒り。
なんで？私は無一郎のために…ひいては皆のために頑張ったんだよ？
落下する風圧でハチマキが宙に棄てられていった。
……でも、もう取りに行く気さえ起きないや。
それに、騎手は地面に足ついたら負けになっちゃうから、私はここで脱落するんだろうし。
「諦めんじゃねェ！！」
＿＿＿刹那、誰かに受け止められた。
服を着ていない上半身、年季の入った猪の被り物。
それを見て、自分が俵を担ぐ様に持たれていると理解した。
「いのす…け」
「まだ終わってねぇ！！まだ……足、ついてねぇ！」
ハッとする。
声を震わせる伊之助に、何か大事な物を気づかせられた気がしたのだ。
「A……僕たちと一緒に…勝とう！！」
無一郎が横から騎馬に加わる。
「俺たちは…お前の
小芭内もやってきて、私はまた上げられた。
「でっ、でも……ハチマキ全部落としちゃったし…もう…」
「安心しろ。それなら無事だ」
「…な、んで……」
鏑丸が咥えていたのは、私のハチマキだった。
震える手でそれを頭に括り付けると、景色が一変した。
「「頑張れ〜〜！！」」
「もっかい全部のハチマキ掻っ攫っちゃえー！！！」
「個性の人たちもAちゃんもかっこいいよぉ〜！！」
＿＿＿今、観客の方々の目を集めてる。
私の皆が認められてる。
「……このまま逃げ勝ちなんて、やっぱやめにするね。
私の皆はもっと凄いんだって証明してやる！」
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すずな - 響さん» コメントありがとうございます🥰夢主ちゃんめっちゃ可愛いですよね〜！！ (8月10日 11時) (
レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
響 - めちゃくちゃ面白くて一気に読んじゃいました！！！チート夢主ちゃんかっこかわいくてすきです笑 次の更新気長にまってます✨ (8月9日 19時) (レス) @page36 id: 78bf574804 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずな | 作成日時：2023年7月13日 1時
