2話 ページ2
「お前こんな所で何してるん」
扉を開けたのは目元にホクロのある志麻だった。
私のとっさに出た言葉は
「お前こそ何でこんな所に来たの」
泣きそうな事を悟られない様に下を向き答えた。
しかし彼はそれを見逃してはくれなかった。
「お前、泣いてたん?」
「泣いてなんか」
「嘘やろ」
図星を突かれて焦りが出る。
その時彼は私の目の前にしゃがんで
「だったらこんなクシャクシャな顔になっとらんはアホ」
「どうしたん、話聞いたるわ」
その言葉が嬉しかった。
ただただ嬉しくて泣きそうになった。
だから、話したく無かった。迷惑、かけたく無かった。
だから強がって
「別に、失恋しただけだから!」
「と言うより、本当に好きだったかどうかすら分からん!」
自分の中で声を張り上げて優しい彼に迷惑かけたくなくて精一杯声を張り上げた
「お前センラくんに」
「言わないで!そこから、先は言うなっ!」
そこから先の言葉を聞きたくなかった。
だからどんなに言葉が汚くなろうと否定したかった私がセンラ君を好きであったという事実を。
何もかも否定したくなった。
そんな私を彼は抱き締めた。最初は優しく、包み込む様に。
「そうか、なら言わんわ」
「けど泣いたらいい」
「辛い時は泣け」
力強く彼はそう言った。それだけで泣きそうになった
けれど私は
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作者名:夏目 | 作成日時:2017年9月17日 1時