第143話 NOside ページ43
巨大な番傘を振り回す鳳仙に対し
刀で対抗していた
片目を失ったとは言え
威力は何一つ落ちていなかった
怪我の量を見れば一目瞭然だ
ただ一つ変わったのは
愛美の戦闘スタイルだ
鳳仙の首に足を回し首を締めたり
持っている刀を軸に回り
鳳仙目掛けて蹴りを食らわせたりと
神威やら鳳仙の技を
見様見真似で技を繰り出していたのだ
そして楓乃音と愛美
2人の蹴りがヒットした際鳳仙は
壁にぶち当たった
その時既に
2人は日輪、晴太、清美の3人がいる
ところの前に立っていた
ハードな戦闘に
息が上がっているが去るつもりもない
楓乃音「女だからって甘く見てんじゃねぇ」
愛美「こっから先に行かせるかよ」
鳳仙「クックックッ…」
鳳仙は何を思ったのか笑い始めた
煙が立ちこめる中聞こえた鳳仙の声は
確実に楓乃音、愛美より奥にいる
日輪に向けられていた
鳳仙「8年前と同じだな
希望を託し童を地上に逃がす女
全く同じだよ
ひとつ違うのら今回
童は逃げられるという所だけだ
母親ごっこはもうおしまいだ日輪
薄汚れた遊女が母になどなれるわけも無い
お前は母親になどなれない
…それを証明してやる」
その童を殺してな
そう言い放つ鳳仙は
その手に持つ巨大な番傘を再び握り返した
そんな様子を見ていた神威が口を開いた
神威「やれやれここまでお熱とはね
我が師匠ながらとんと呆れますよ
8年前から何も進歩してないようだ
遊女を傷モノにして
価値を奪ってもなお側においておくとは
旦那、どうやらあんたにとって
一人の女として必要なものらしいな」
神威の言い放つ言葉に
鳳仙は喉を鳴らすように笑うと
必要なもの？
何を抜かすかと思えば…
むしろその逆だ
と、そう口を開いた
鳳仙「これまでわしは
この力で金も権力も女も好きに手に入れてきた
だがこのわしにも一つだけ
手に入れられないものがある
この夜王をもってしても屈せざるを得ない相手が…
ついぞわしはこんな地下にまで追い込まれ逃げ込んだ
だが奴はこの常闇にあっても変わらぬ姿で
存在しているのだ
わしにとって
…いや
最も忌むべき存在、唯一無二の天敵
…そう
どれ程の苦難にあっても
決してその瞳は光を失うことは無い
どれ程の苦界に身を落とそうと決してその魂は
堕ちることは無い
その気高き姿は
正しくあの忌まわしき太陽」
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智琉深(プロフ) - もう最高(*￣ii￣) (2019年12月15日 1時) (
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作者名：龍央 | 作成日時：2019年12月14日 2時
