笑うのはそう、貴方達が居るから

・ 花のち晴れ ___ 前編 ページ21

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・神楽木side





見てしまった。





江戸川｢私と、付き合ってください｣

馳｢……はい｣





俺と西留がその場に駆けつけた時、俺の反対側には目の色を失くした美麗が立っていた。



……なんで、そんな所にいるんだよ。



江戸川から馳への告白を終えて2人が笑いあってるところに美麗がヒールの音を鳴らしながら歩み寄った。



そのおかげで、とでも言えばいいか。



美麗に気付いた2人は俺らに背を向ける形になった。



だから、美麗の顔なんて見えない。見ることさえできない。




ただ聞こえてくるのは、──────美麗の悲痛な叫び





『っ、なんで？！？！？！私はずっとずっとずっとずーーーーっと、天馬のことが好きだった！！！！

今も昔も私には天馬しか映らない！なのになんで音しか見てないの？！

あなたのそばにいたのは誰？！私でしょ？！』





そして少し見えた美麗の顔は…



初めてだった。美麗が笑顔以外の怒った顔。








『なんで、なんで音なのよ！！！！

そんな女のどこがいいわけ？！？！？！

晴にも天馬にもいい顔して、挙句の果てに“全部私が悪いの”って被害者ヅラ！！！！

当たり前じゃない！その女が全部悪いの！！！！

ほら！！！！！そうやって困った顔すれば誰かが助けてくれる。

天馬、神楽木、なんて甘い声で名前を呼べば対応してくれる。

……いいよね、音は。

愛されて、親にも、友達にも、それに私の親友の愛莉にも。

みんな、あんたに奪われた。

好きな人も、友達も、親友も！！！！！！！









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