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第25話 思惑 ページ27

ふわっ、

落ちていったAの身体を誰かが受け止めた。
しかしそれは、天馬ではなく、

「…………なんであんたが、ここに居るんだ。」

「そりゃ〜、可愛い新人陰陽師ちゃんの初陣を応援しに来たんでしょ〜☆」

軽薄な声と共に砂埃から現れたのは、陰陽頭である土御門有馬だった。

対して、天馬の表情はどんどんキツくなっていく。
有馬はそんな天馬の表情を毛ほども気にせずに話し続ける。

「ところでこのAちゃん。呪詛が顔にまで広がりかけている。もう禍野から出た方がいいよね?」

「あんたは必要ない。俺が院長先生の所に連れて行く。」

睨みつけるように言った天馬に、有馬は更に笑みを浮かべる。

「いやーダメでしょ。ろくろ君達の時とは違い、君は今回の任務の重要な一人だ。ここで君が居なくなったら、残された人達はどうするんだい?」

その言葉に、天馬は下唇を噛む。

「じゃ、それじゃあね☆…………殺しやしないよ。」

最後に耳元で囁かれ、天馬は拳を握り締める。

全部、思惑通りってことかよ……………!!


その後の天馬は、八つ当たりをしているかのようにケガレを祓い続け、その姿は怒り狂った百獣の王を連想させるものだった。

「天馬はん、何をそんなに怒ってはるんでしょうなぁ。」

十二天将の一人である御幣島すばるが、隣にいる五百蔵鳴海に尋ねる。

「ガッハッハ!あいつも色々考えていることがあるんでしょうなぁ!?」

「ほな、それは青春いうやつやなぁ。」

そう言いながら二人は次々にケガレを祓っていく。



「初陣にしては上出来すぎる戦いやったなあ、あの娘。なあ早雲はん。あの娘の先生なんですやろ?そろそろ認めてあげたらどうなんです?」

早雲とは、この5日間、Aの修行をつけていた先生の名前である。

「………確かに、自分の初陣よりはずっと動けていました。才能は申し分ないでしょう。」

早雲は表情を変えずに言い放つ。
まだ完全な信頼は生まれていないようだ。

「それにしても、あの娘、可愛いなぁ。ウチに欲しかったくらいやわぁ。」

すばるが嬉しそうに微笑んでいる。


そして、その数時間後、任務は終わりを迎えた。

禍野をでた瞬間天馬は、迷わず水度坂病院へ走っていった。

心の中では、Aの無事を祈って………………

第26話 夢の中で→←第24話 禍野という世界



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設定タグ:双星の陰陽師 , 鸕宮天馬 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時

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