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第23話 初陣 ページ25

「て、ててててててててて……………てんま、さま!?…あの、一体何を……………!?」

腕の中のAがショートしかけたところで、天馬はさっと手を緩めた。
Aの顔を見ると、今までそういうことをされたことがなかったのか、ひどく混乱しているようだった。

「安心しろ。ただのスキンシップだ。」

真面目な顔でそう言うと、Aは本当にそれを信じ、
「そう、だったんですか……。」
と神妙な顔つきになる。
そんなAの反応を見て、天馬が内心でぷっ、と噴き出した時、訓練室のドアがガラリと開いた。

そこに立っていたのは、鸕宮家に仕える従者の一人だった。

「天馬様、陰陽頭様からの任務です。明日、もう一度禍野に赴いて欲しいと………。」

「はあ?いや、まぁ、別にいいけどよ……。」

「それだけではなく、葛城殿を連れてきて欲しいそうです………。」

「あぁ!?何言ってやがんだ。キツネ子はまだ修行を始めて5日すら経ってないんだぞ。んん!?」

「それが………………何があっても参加させろと………。」

「クソッ、何考えてやがんだ。有馬の奴……………!!」

天馬が思い切り地面を蹴る。振動がこちらにまで伝わり、今の天馬が凄く怒っていることを察した。

天馬は怒りながらも、少しの間考えると、ぐりんとこちらに振り返った。

「……………キツネ子、お前の初陣だ。何があっても守ってやる。だから来い。」

そう言った天馬の瞳には強い意志が宿っており、それに応えるようにAは強く頷いた。

その後、呪胞のやり方は天馬が教え、Aは最低限禍野に行ける体となった。


その日の夜、Aは明日の任務内容について確認する。


ー任務内容ー

深度1700 ケガレコード"タケミナカタ"

任務執行人

鸕宮家(当主含め5人選抜)
御幣島家(当主含め6人選抜)
五百蔵家(当主含め6人選抜)


「深度1700………………どんな所なんだろう……。」

Aが訝しげに用紙を見つめる。

するとカタ…、と部屋の襖が開き、天馬が何食わぬ顔で入ってくる。
最早自分の部屋のひとつのような扱いだ。

「キツネ子、明日の準備はできたか。んん?」

「あ、はい。後は霊符の確認だけです。」

「そうか……………。」

「天馬様は何をしに来られたのですか?」

「え、…………………いや、まぁ………たまたま通りかかったんだよ。」

「そうなんですか!わざわざありがとうございます!」

天馬のついた嘘にも気づかず、Aは屈託のない笑みを浮かべた。

第24話 禍野という世界→←第22話 心に誓い、貴方に願う



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設定タグ:双星の陰陽師 , 鸕宮天馬 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時

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