検索窓
今日:17 hit、昨日:1 hit、合計:67,228 hit

第12話 星夜をかけめぐる ページ14

「お前はほんとに俺に抱えられてばっかだなぁ。んん?」

その声でAは目を覚ました。

心地よい風が柔らかな髪を揺らし、あの人の紅い髪もなびかせている。

そしてAは気がついた。今自分がとんでもない所にいることに。

「…………………ほし、ぞら!?」

目の前を覆い尽くすのは、満天の星空。そのどれもが宝石のように光輝いている。
そして驚いたのが、足元にもそれがあること。

そう、今A達は空にいるのだ。天馬のつかう伸縮自在の剣によって。

天馬が剣をスケートボードのように乗り、その上でAを抱えている。

「え………どうして…………!?」

「行くぞ。死にたくなきゃしっかりつかまってろ。んん?」

そう言うと、剣は一気にスピードを上げて、星空を駆け巡る。
ジェットコースターのように唸りを上げ、予測不能な動きで夜空を飛んでいく。
さっきまで丸く見えていた星が、白い線のようになって、目の前がぐらぐらする。


「いやああぁぁぁぁぁぁッ!!!?て、てんまさ、止めて!?」

「嫌だね。」

そう言い剣はさらに速さを増す。


「ううううぅぅぅぅぅ……………こわいぃぃぃぃぃ!!!!!」


振り落とされないよう、必死に天馬の首に腕を回してつかまっていた。
当の天馬は、Aを軽々と抱きかかえている。

星空を駆け巡る流星のような剣の上で、一人は笑い叫び、一人は泣き叫んでいた。

やっと速さも落ち着いたとき、天馬はAに呟いた。

「次心配させたら………………今のを一時間やる。」


それを言われた時、Aは初めて気がついた。

天馬が禍野から帰ってきてすぐに自分を探しに来てくれたことを。

傷ついた服すら着替えずに迎えに来てくれたことを。


「…………………どうして。」

「んん?」

「………………どうして、ここまで、してくれるんですか…………?」

天馬の横顔にそう呟いた。

「…………………………………さあな。」

そう言うと、天馬は高度を落とし、鸕宮家の近くにある砂浜に着地した。

第13話 砂浜での覚悟→←第11話 迎え



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
43人がお気に入り
設定タグ:双星の陰陽師 , 鸕宮天馬 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。