“しかく”の向こうに君がいる (ページ5)

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宮近｢にしても女性でこんなに仕事早く出来ちゃうのかっこいいですね～｣

『もう、褒め上手ですね笑笑』

めちゃくちゃメンバーが話しかけてくれる。

松田｢僕、そういう働けちゃう女性惹かれるな～｣

松倉｢わかるなー｣

こういうの何て答えればいいんだろう…

如恵留｢…困らせちゃダメでしょ…分かるけど｣

『あ、分かるんだ笑笑』

七五三掛｢俺も分かる～｣

ちょっと時間を置いてからレスポンスする感じが七五三掛くんっぽい。その横で吉澤くんは微笑ましそうに笑ってる。

｢…。｣

中村海人くん。みんなが話してる中、1人口を噤んだまま。映像に集中しているみたい。

ひととおり、説明が終わって撮影再開になる。

さっきの和気あいあいが夢のよう。
なんだろう。久しぶりに仕事が楽しい。

昼食の時間。
ケータリングも楽しそうに選ぶメンバーたち。

｢…あの、、｣

声をかけてきたのは中村海人くんだった。

『えぇっと、なんでしょう？』

｢さっきの映像もう一度見るのは、可能でしょうか？｣

『あ、全然大丈夫ですよ…えっと…』

｢僕、かっこよく映ってました？｣

『ほぇ？』

いきなりの質問に変な返事をしてしまった。
彼はニコニコしながら返事待っている。ワンコのよう。

『かっこよかったですよ！めちゃくちゃ。』

｢ほんとですか？？？よかった～！！！！！！｣

喜ぶ姿は本当にワンコ。しっぽをフリフリするワンコ。

｢メディア業界の方って、たくさんのタレントさんを見ていらっしゃると思って。そういう人に自分たちを見てもらった方が、本当のことを言ってくれると思ったんです。｣

『ほんとにかっこよかったですよ。』

｢褒められて伸びるタイプなので嬉しいなー！｣

ワンコだ。めちゃくちゃワンコだ。
母性本能くすぐられた。やられてしまった…。

｢じゃあ、午後もお願いします！｣

笑顔で私に深深とお辞儀をして去っていく…

と思いきや、振り返って

｢…僕も仕事ができる女性、素敵だと思います。｣

少し彼の表情がツヤっぽく見えた。