“しかく”の向こうに君がいる (ページ4)

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メディア業界は朝が早い。

私は７時には現場に着いた。

忙しくセットが組まれていく。私はぽーっと絵コンテに目を通す。ジャニーズJr.もMVを撮る時代なんだな。

｢おはようございます！！！｣

礼儀の正しい挨拶がスタジオに響いた。

あれが、Travis Japan…。

しっかり挨拶できるのはいいな。
普通なのかもしれないけど、挨拶しないタレントもざらにいる。この仕事をやってれば、色んな人に出会う。

｢…おはようございます！｣

『(？！)…おはようございます』

びっくりした、個人的に挨拶してきたよ。

まぁ1人で、しかもタレント待機場所の近くにいたからね。にしても顔がいいな！ちょっと眠そうなのがまた可愛い。

えっとえっと…

そうだ、彼は中村海人くんだね。

顔が小さい、スタイルがいい。なんと言っても私が好きだったあのタレントにどことなく似てる。

気分屋さんっぽいけど踊ると凄い。ギャップがある子だなって動画みてて思ってたけど、ははーん。さらに礼儀正しいのか。

撮影が始まった。

彼らのパフォーマンスには思わず息を飲んだ。周りのスタッフと同じようだった。

はっきり言って

これは、編集しなくてもいいくらいだ。

順調に撮影は進む。撮影中の真剣な7人の姿と、和気あいあいとした7人の姿は、ギャップだ。

現場の雰囲気も良い気がする。

｢編集したらどうなるか、軽くTravis Japan本人さん達に説明できるかな？｣

監督に声をかけられた。

『えぇ、大丈夫ですよ』

撮影中にも撮った映像がパソコンに送られて来ていた。絵コンテを元に切り貼りして、撮影中に軽く編集をしていたので大丈夫だろう。

『初めまして、編集担当です。軽く編集したらこうなるっていうものを説明させてください…。』

今、私の視聴率100％。この瞬間は何度経験しても緊張する。

｢緊張…してますか？｣

悟られた。あれは、川島如恵留くん。

『あはは…伝わっちゃいましたか…笑笑』

如恵留｢実を言うと僕達の方こそ緊張してるんですよ。こういう経験、多くないので笑笑｣

そう優しく、距離を詰めてくれる。

｢お名前、なんて言うんですか？？？｣

そう聞いてくれたのは宮近海斗くん。

『えっとAです…』

宮近｢…そう呼んで欲しいってことですよね？｣

ニコニコしながらそう言われて、恥ずかしくなった。

『…じゃあそう呼んでください笑笑』

なんかめちゃくちゃドキドキしてる。