“しかく”の向こうに君がいる (ページ23)

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22 《Kaito.N side》ページ23

｢次に行こう｣

イコール、

｢恋人になってください｣

それを汲み取ってくれたのかな。
多分そうだけど…

不安だったから店を出てから、夜の公園で言い直した。

｢僕の恋人になってください｣と。

Aは、柔らかな笑顔を見せて、コクリと頷いた。

ん？
俯いたままのA。

｢な、なんで泣いてるの？！｣

『…わかんないぃぃ…』

ポロポロ涙が溢れてる。泣き顔、初めてだ。

『…いいんですか、私で』

｢Aじゃなきゃ、ダメなの。｣

マスクを外して

顔を寄せる。

外はもう暗く、冷たい風が吹く。

2人だけの時間。

好きだよのサインを君だけに。

君は抵抗しなかったね。

ゆっくり目を閉じて、、、

何も考えず

｢僕の家に来てよ｣

なんて言ってしまった。

『…ダメです、バレちゃいます。』

｢本当は？｣

『……急には無理です、色々と…』

｢何もしないって｣

『…。』

だんまりしちゃった。

ちょっと早すぎたよね。

｢分かった今日は帰りな、送るよ。｣

ゆっくりでいいんだ。2人のペースで。

何も焦ることは無い。焦りは禁物、だね？

『ごめんなさい…』

｢ううん、今度はお家デート、しよ？｣

『はい…分かりました…』

｢その敬語やめてよ～笑笑、せっかく恋人になれたのに～｣

ハッとした顔をして、顔を赤らめるA。

恋人って表現に照れる顔が、可愛くて可愛くて…。

｢ギューってしたい。｣

『…。』

｢わわっ｣

あっちからギューってしてきた。びっくり。
こういうところがあるんだもんな…

ほんとに参っちゃった。

充電完了だ。明日も頑張ろ。