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宿儺君が僕を包んだまま走るよう促した。



黒い霧の宿儺君であまり前が見えないけど、ただひたすら真っ直ぐ走る。

宿儺くんの言う通り。






だけど、3分位だろうか。

それだけ走って、僕は息が切れて倒れこんでしまう。



「A!?」
「はっ、はっ……は、…ご、め……ちょ、っと……は、まって…」

「……こっちだ」

少し歩いてうずくまる。
息がなかなか整わなくて日頃の運動不足を呪った。




「っ!!!」

ぐいっ!!



体が一瞬だけ浮いて立たされる。

僕をつつんでた宿儺君は今、僕の目の前に立って……


「何の用だ………呪術師…」

「やぁやぁ、久しぶりだね両面宿儺。………所で、後ろの子、貰ってもいい?」



誰かを睨んでいた。
男の人みたいだけど、僕からは見えない。あの人からも見えないだろうけど……。

この人から逃げなきゃ行けなかったの?

宿儺君に話しかけたいけど、きっと宿儺君の機嫌は最下層だ。

それに僕を隠そうとしてる……

「ちっ……小僧め…役目も果たせんとは…」

「悠仁は恵が相手してるよ。流石に僕ら2人を足止めできるほど器用じゃないでしょ?」

「叩き直す」

「えー!あれでも充分強いと思うんだけどなぁ。
なんにせよ、今世は悠仁と分離してくれてて助かったよ。」


これで心置き無く君を殺せる。




手持ちの鞄を抱きこんでしまった。

怖い……。



君、と言われているのはきっと宿儺君なんだけど、その殺気を感じてしまって……怖い。


「悠仁は僕達側の子だよ。君が易々と連れて行っていい子じゃない。今世こそ、悠仁に幸せな人生をあげなきゃ……」


じり、と宿儺君ににじり寄ったその人。




その時

その人の胸元で光る"それ"を僕は見つけてしまった。



「あれは……宿儺君と悠仁君の……欠片…?」




それを視認した途端、僕の目に色々なものが見え始めた。





黒いドロドロ。

初めて悠仁君達と出会った時に見たアイツら。






アイツが、




僕らを囲んでいた。


無数の目がぎょろぎょろ動いて舐めるような視線が体を這う。



その感触が、感覚が、気持ち悪い。



「あ、………ぇ……」



ぼろ、と意味のわからない涙が溢れていく。

2人はこれ、いつも見てるの?

あの男の人も、これ、見えてるの?



そのうちの大きな目。

ひとつ。





目が、合った。

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しいさん(プロフ) - 紫雲さん» やったぜ!ありがとうございます!!! (2021年2月11日 17時) (レス) id: 2c34af32f0 (このIDを非表示/違反報告)
紫雲(プロフ) - しいさんさん» えらいえらい。頑張れ!|ω・)ノ (2021年2月11日 16時) (レス) id: a18463f7a8 (このIDを非表示/違反報告)
しいさん(プロフ) - いっぱい更新してみたよ。褒めて褒めて。。。 (2021年2月11日 14時) (レス) id: 2c34af32f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しいさん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/homupe2019/  
作成日時:2021年1月22日 21時

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