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ドアを開けて部屋に入って。



家の中なのに不思議な風が吹いてくる。
その方向は押し入れ。


「あれ……ここに入ってるのって……」


そこは確かお父さんの持っている聖柄の刀と、お母さんの持っている嫁入り道具の小太刀。


それと………



「ひい爺ちゃん家から貰った……俺の太刀と脇差が……」


クローゼットを開いて俺の2振りを手に取った。

ずっしり重い……研げばホントに切れるんだって。




部屋に持ってって袋から出す。

「ねぇ、声掛けたのって、君ら?」



鉄の塊に話しかけてみるけどやっぱり何も起きない。

気のせいだった?



少し気落ちしながら刀を仕舞おうとしたその時、


「後ろだ」

「?!」

再び声。




勢い良く振り返ったソコには黒いぐちゃぐちゃ。

スライムのような、ヘドロのような。



視認した瞬間、その塊の至る所に目が開く。

ぐわっ、と見開かれたそれはいっせいに僕を見つめる。




「きも……っ」


スゴい……。めっちゃ臭い……


けどこれって……



「人じゃない……普通じゃない………!」


背中をぞくぞくとした興奮が走った。


「さぁ、その気持ちを込めろ。そしてこやつを切るのだ」


鞘から抜き、両手でぐっと柄を握りしめる。

全身の力が手に籠るみたいな心地。
重い。

重くて熱い。



口角が上がって汗が吹き出る。



「すっげぇ………これだよ……これ!!!」


そのまま黒い物体に振り下ろす。

グチャっとした感触と手にかかった液体。
生暖かくて現実だって語りかけてくる。



「素晴らしいなぁ……恐怖を感じながら尚楽しいと考えるか……」



僕が切ったこいつは霧みたいに霧散して、代わりに僕の背中を何かが押した。


「わわっ」
「良い良い、振り返り俺を視認しろ。許す」

なんて古風で偉そうな喋り方……


「……っ!!」


黒い霧が浮かんでた。


思ってたような異形や美形は居らず、ただ。黒い霧が浮かんでいた。


「はぇ………やっぱ現実は小説のように行かんのね……」

「何を言っているかさっぱりだ」

「そーぉ?まぁ気にしなくていいよ。ンデサ、君何?妖怪?」


「ふむ。では少し話してやろう」



黒い霧が地面にくっついた。

つられて僕も座る。


低い声が部屋へと響きはじめる

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しいさん(プロフ) - 紫雲さん» やったぜ!ありがとうございます!!! (2021年2月11日 17時) (レス) id: 2c34af32f0 (このIDを非表示/違反報告)
紫雲(プロフ) - しいさんさん» えらいえらい。頑張れ!|ω・)ノ (2021年2月11日 16時) (レス) id: a18463f7a8 (このIDを非表示/違反報告)
しいさん(プロフ) - いっぱい更新してみたよ。褒めて褒めて。。。 (2021年2月11日 14時) (レス) id: 2c34af32f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しいさん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/homupe2019/  
作成日時:2021年1月22日 21時

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