隣は隣でも (ページ9)

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時は過ぎ、1時間目。

先生方が自由時間をわざわざ設けてくれた。

(自由時間つっても暇なんだよなー)

と思っているとAが話しかけてきた。

中庭に行こうだって。

暇だし好きな人からの誘い。断るわけないやん。

俺は迷いなく行くと伝えた。

小さくて綺麗な花が咲いている。

その横のベンチに座りながらいろんな話をした。

部活入ろうか生徒会にしようかな〜とか。
くだらん話をたくさん。

Aと話してると楽しくて、時間なんか一瞬のように過ぎていく。

その時間を大切にしたい。

もっと一緒にいたい。そういつも願ってるし思ってる。

けどなかなか一緒にいれないのが事実。

自分で言うのもあれやけど、女の子がなんか集まりやすくて。

今もそう。

「良規くん！」と呼ばれて腕を掴まれる。

「俺がおらんくて寂しくあらへんか？」といろんな意味を込めて言った言葉に彼女は「大丈夫やし」と答えた。

俺は大丈夫じゃないで。

寂しいよ。胸がぎゅってなる。

親離れ…
俺から離れなくてええやん。

ずっと一緒におればいいのに。

女の子からの誘い。
Aが行きなよって言うから行くんやで。

引き止めて。

そんな事も思ったりしてる。