隣は隣でも (ページ8)

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教室に担任が入ってきた。
HRはなにすんやろ。と思い、Aに聞いてみた。

自己紹介でもするんじゃない？と素っ気ない態度で教えてくれた。

新一年生じゃないんだから別にしなくても…って思ったが、言わない方がええよな。

先生の話を聞いていくうちにこのHRは自己紹介をすることになった。

「ふはっ、当たったな。
人見知りのAちゃんだからおまじない。かけたろか？」

視線を彼女の方へ向ける。

すると小刻みに震えていたんだ。

「バカにしないでよね」と強がっているが、本当はとても不安で緊張していたんだな。

(前から人前で話すのとか苦手やったもんな。)

ふざけてる場合ちゃうと自分に言い聞かせ、自然と彼女の手をとっていた。

「えっ？」と驚くA。

「ん、大丈夫や。Aならやれるで。
深呼吸して頑張ってこい！」

体が自然と動いた。
自分の体なのに言うことを聞かない。

ただ、Aの緊張を解いて笑って欲しいって思っただけなのに。

後からじわじわと恥ずかしさが襲ってきて耳が熱くなるのを感じた。