隣は隣でも (ページ20)

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「よしっ…覚悟決めたで」

スマホと睨めっこしながら緊張で小刻みに震える手

簡単な動作にも今の僕にはそれをやるのが難しかったのだ。

いい加減腹を括り、勇気を出しボタンを押してみた。

"メッセージが送信されました"

拓哉から教えてもらったこと。

それは＿＿＿＿＿

「風さん耳貸して！」

「ん、」

「実はな、Aと風さんとの帰り道同じでな。
一緒に帰ってみたらどうっ！？」

「正門くんのポジ、狙えるんとちゃう？」

拓哉の最後の一言が決め手だった。

みんな知ってる通り正門くんはAのことが好きで帰り道逆やのに家まで送ってるんやで。

すごいよな

そのポジが俺になったらどうなるんやろ。

俺は好きな人と居れてハッピーやけど正門くんは悲しいに決まってる。

Aはどんな気持ちなんかな。

やっぱり正門くんといたいんかな。

少しづつ時間をかけて仲良くなりたい。

お互いを頼って頼られて、時には2人っきりで遊んでみたい。

俺、諦めたくないねん。

たとえ友達を失おうとも好きな人と一緒にいたい。

でも結局好きな人が幸せでいることが第1なんやけど。