隣は隣でも (ページ11)

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「良規くん。私…良規くんの恋応援してるから。」

「頑張ってね！振られたら承知しないから！それじゃあ…！」

俯いたまま走り出す。

"告白して良かったです"

"良規くんの恋応援してるから"

振られてなお、そんなに優しい言葉をかけてくれるなんて思ってもいなかった。

強いなあの子。

俺も負けられへんわ。

Aに振り向いて貰えるよう、まずは心を鍛えて好きなってもらわなあかん訳やし。

頑張るで。

そして俺は1歩踏み出した。

すると後ろから声がしたんだ。

聞き馴染みのある声が。

「お、なんや正門やったんか。」

「…え。せ、せ、せ誠也先輩！！？？」

「模範解答のようなリアクションやな」と笑いながらこちらへと歩き出す彼の名は末澤誠也さん。

中学の時にお世話になった1番仲のいい先輩だ。

「な、なんでここにいるんすか」

「入学式のスピーチしおわったからそれの帰りや。」

訳が分からずぽかんとしていると「なんで分からへんねん！生徒会長やで俺！？」と狂犬のごとく吠え出した。