隣は隣でも (ページ2)

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「HR始めるぞー」

先生の合図により、教室が静かになる。

「HRってなにすんやろな」

「王道の自己紹介とかなんじゃない」

適当に言ったら案の定自己紹介をすることになった。

「ふはっ、当たったな。
人見知りのAちゃんだからおまじない。かけたろか？」

「バカにしないでよね。」

なんて言いつつも本当はガチガチに緊張してて今にでも吐きそう。

そんな私とずっと一緒にいる彼だから緊張してる事くらいお見通しな訳で。

「えっ？」

「ん、大丈夫や。Aならやれるで。
深呼吸して頑張ってこい！」

緊張のせいで小刻みに震えてる私の手を彼の手が優しく包んでくれた。

溶けてしまいそうな優しい笑顔でおまじないもかけてくれて元気がでた。

「顔真っ赤笑、苺みたい。」

私の手を包んでくれてたその指先が私の頬へと移動した。

「んー熱いな。緊張しすぎ笑
それともそれは緊張以外なんかな。」

分かってるくせに。
そんな心の声は閉まっておく。

たまに出てくるブラックまっさんは嫌い。
意地悪してからかうの。

彼は私よりも何枚も上手だから。