Lilな恋でもAぇじゃないか (ページ5)

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放課後、学祭の準備をするため居残りをしている私たち。

「なあ、ちょっとの間だけ耳貸して」

いきなりそう言うなり彪太郎が耳元で囁き、こう言ったのだ。

「劇の終わり、特別ステージを用意したから楽しみに待っててほしい」

「僕とAだけの秘密。な笑？」

いたずらっ子のように笑う彼がとても愛おしく可愛らしかった。

彪太郎と私だけの秘密…

なんで私なんかに教えてくれたんだろうと思ったが、裏腹には嬉しいだなんて思ってる自分がいる。

もっと一緒にいたい。
そう感じても叶うはずがないのが現実。

「じゃあ、これからお仕事あるからもう行くな」

「あっ、うん。頑張って」

「うん。頑張るでぼく。」

ひらひらと手を振り

用意された車に乗り込む彼。

走り出す車を見届けていると車の窓が開き、彪太郎が顔をひょこっと出して

「おつかれー！また明日なー！」

と元気いっぱいな声で手を振るもんだから

私も負けじと大きな声で精一杯大きく手を振り返し「おつかれ！また明日！」と返した。

作業が終わり家に帰って一休みしようとした時、スマホがぴこんとなり通知を知らせる音がした。

誰からだろうとスマホの電源をつけると風雅からだった。

「Aー」

「おつかれ」

「来週の水曜家行ってええか？」

珍しい。

風雅が家に来たいだなんて。

風雅とは腐れ縁で中学が違くても、家族ぐるみで何度も会っていた。

そして高校で再会をしたと言う、なんとも少女漫画みたいな展開。

彼は友達を大切にする人だから、休みの日とかはクラスメイと遊んだり

それこそグループのメンバーと遊びに行ったりしててるから個人で私の家になんて来ることは滅多にないので、驚きつつもいいよと返信した。

「ありがと」と素っ気ない返事と、おやすみと書かれた不思議なキャラのスタンプを送り会話を終えた。