Lilな恋でもAぇじゃないか (ページ1)

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私が彼を、岡﨑さんを好きになったのは高校1年の夏の頃だった。

夏の学生ならではのイベントと聞くと

あっ、これだなって察する人が多いだろう。

そう。学園祭だ。

私は学園祭の係決めを任せられた。

学級委員だからと言う理由で。

みんな学園祭が楽しみだからなのか、盛り上がりようが半端なく「静かに！」なんて呼びかけても聞く耳を持たない。

どうしよう…と思う反面
自分にはこの役割が重すぎて泣きたくなった。

クラスのみんなが騒ぐ中、ただ黙って私を見る生徒がいた。

その姿がかっこよく見とれてしまいそうな程に美しかったのだ。

その人の名前は岡﨑彪太郎。
誰よりも冷静で落ち着きのある優しい人だ。

目が合うと口パクで「うるさいね」と頬ずえをしながら言う彼に「はい」と頷くとにっこりと微笑み

いきなり「みんなー！」と声を張ったのだ。

「少し静かにしよ笑」

「係決めしたいし、出し物何か案ある人いる？」

まさかの進行を手伝ってくれるとは思いもしなく、呆然としていると岡﨑さんが「僕、黒板に書くからあとはお願いします」と優しい笑顔で黒板に書き始めた。

きっとこの時から彼に惚れていたのだろう。

胸のときめきに気づかないふりをして進行を進めた。