片言少女は彼の片割れ (ページ32)

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小話。ページ32

その日の夜。

『フェイがマチに刺青？入れにいたよ』
｢で。何で俺のとこなんだよ｣

『シャルはクロロと難しいこと話してた』
｢……一人が寂しかったのか？｣

『これはさみしいか？なにかをぎゅとしたくなるのはさみしい、か？』
｢たぶん……｣

フェイがいない部屋はなんだかとても広く感じてしまって、寝ようと電気を消したが一人の布団は冷たかった。

だからフィンのところにきた。

｢真剣衰弱でもするか。記憶力の訓練もかねて丁度いいだろ。｣
『うん。ありがとね』

フィンもシャルもフェイも皆優しい。

だからワタシは皆が大好きだ。

『……そろた…』
｢やっとか。……寝るか？｣

暫く続けていたが思考が鈍くなっているのを感じた。
フィンに言われて気づいたがどうやらうとうとしていたらしい。

｢部屋戻るか？｣

正直迷った。が、フェイが部屋に戻ってきたときワタシと同じようにさみしい、と感じてほしくなかった。

『もどるね。ふぃん、ありがとね』
｢おう。部屋間違えんなよ｣

フィンに見送られ部屋へ戻った。
カードを使って中に入れば電気がついていて

｢やと帰てきたか。どこいてたね｣