片言少女は彼の片割れ (ページ2)

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少年が塊を連れていったのは言うところ溜まり場。

子供達が集まって何とか生きている集落にも満たない場所。

やはりと言うかゴミに溢れてはいるものの布を張った雨を凌げる場所ではあった。

｢……｣

垂れ下がっている布を手で避け中へ入った。
外と何ら変わりないが中には同じような少年少女が数人。

｢遅かったね｣

ボサボサのピンク髪を乱雑にまとめた少女が声をかけた

｢ちょと拾い物した｣

自分の横を指さし紹介。

｢真っ黒……｣

少女がつんつんと塊をつついた所……

『ぁう……ぅ』
｢なにこれ。面白い｣

モゾモゾと身動ぎし、少年の後ろへ引っ込んだ。

そんな様子を見ながら少年は少女に考えを話した。

｢言葉ダメね。ワタシいしょ。覚えるよ｣
｢へぇ。まぁいいんじゃない?一緒に勉強してけば早いだろ｣

少女は驚いていた。
普段は何にも頓着なく、興味も薄い少年が一緒に行動をすると決めた事に。

同時に少し嬉しくもあった。
少年がその淡泊さからあまり馴染めていないことにも気付いていたので、嬉しい変化であった。

｢そうと決まれば先ずは…………｣