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朝が来ない世界ならば― (6) ページ6

"相変わらず"……

 僕たちはこの事態の原因探しの為に

 話していた。

 「あ、この事態の原因探しは先が長い

  だろうけど、と、飛ばされて来てる人

  を探すのはどうだろ?」

 「良いと思うよ」

 「………うん」

 「この事態か………にしても、本当になんで

  こうなったんだろうね」

 「まあ、それについては飛ばされて来た人

  を見つけてからにしようか」

 「………じゃあ、寝よう?」

 雨打が目を擦りながら言った。

 「あ、そういえば食料はっ……!?」

 「ああ……それならば僕がここに………

  じゃじゃーん!チョコレートでーす!」

 「いや、なんで学校にそんなものを

  持って来ているんだい?」

 「えぇ?僕は校則違反の常習犯ですよ?」

 「そんなことでなんでドヤってるんだよ…」


 僕たちはベッド3つ程なら確か保健室に

 あるだろうということで、

 保健室に向かった。



 ―――ガラガラガラ……

 僕は何となく腕時計を見た。

 けれど、やっぱり秒針は丁度午前0時を

 指して止まっている。

 「ああ……やっぱり時間は止まっているのか」

 木綿は僕の腕時計を覗き込んで言った。

 そっか、雨打と木綿に教えるのを忘れてた。

 木綿が保健室内を見渡して静かに呟いた。

 「保健室の先生も居ないんだね……」

 独り言の様にも取れたが、僕はそれに

 答えた。

 「うん、この学校内には僕を含めこの3人

  しか居ないみたいだよ」

 「………そうみたいだね」

 「……眠い」

 雨打が言った。

 こんなにも真面目な話をしているのに

 寝ようとしているのがある意味で

 とても凄いと思う。

 「まあ、そうだな……それぞれ寝ようか――」

 「zzz…」

 「いや、もう寝てるっ!?」

 木綿は苦笑いしつつも雨打の寝顔を

 幸せそうに眺めていた。

 「じゃあ、僕らも寝ようか」

 「…そうだね。人探しは起きてからですね…

  時雨さん、おやすみなさい」

 「あ、うん……そうですね、おやすみ」

 木綿って少し言葉に堅苦しいところが

 あるんだよね……

 多分、癖なんだろうけど。



 ―――そして、僕らは深い眠りについた。


 そう、合わせ鏡の様にどこまでも、

 終わりの無い様な夢の中で3人は

 ―――とても幸せに過ごしていた。

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作者名:雨音 時雨 | 作成日時:2021年2月26日 0時

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