story23 別人 ページ23
「いつもの私は
偽物なんだよ」
和「監督、何言って…」
「忘れられないの」
その言葉は
今まで聞いたことないくらい
冷たくて
寂しそうな声だった。
「忘れられないの…彼を」
“彼”
そう聞いて
思い当たるのは一人しかいない。
和「…“大樹”のこと？」
「違う、本当の名前は…
涼弥…」
“涼弥”
それが
“大樹”の本当の名前。
「涼弥…忘れられないよ…
いつも
あなたのことばかり考えてる…」
彼女の目は震えていた。
声も手も心も
彼女は震えていた。
初めて見る
彼女のもう一つの姿。
すぐにそれを
理解することはできなかった。
「あの人の愛が…また欲しい…
あの人の…愛してるって言葉…
頭から離れないのっ…」
俺が前に見た
普通の顔をして“大樹”の話をする彼女とは
別人だった。
今、目の前にいるのは
完全に愛に溺れた女だ。
和「監督…」
震える手を
さすってあげた。
それしかできなかった。
俺には何も
言えなかった。
「彼がいないのに
笑顔でいられるわけないじゃないっ…」
この女性は
俺が原作を読んだばかりの時に
想像していた彼女と
全く同じだった。
彼女に会う前に
こんな人なんじゃないかと
考えていた彼女と変わりがなかった。
和「いつもの監督は…誰なの？」
恐る恐る聞いた。
目を伏せたまま
彼女は答えた。
「あれは、私が私に
無理やり前を向かせているだけ。
だって…本当の私でいたら
いつまで経っても一人だもの…。
もう一人は嫌…
だから…ずっと笑顔でいる。
ずっと笑顔でいれば
自然と周りに輪ができるの。
…私も、演技上手なんだよ？」
一瞬笑ったその顔は
いつもの監督だった。
でも
そのすぐあと
笑顔なんて言葉が思いつかないほどの
孤独で満ち溢れた
彼女の瞳と目が合った。
story24 そっくり ※修正しました→←story22 本当の自分
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愛美(プロフ) - みうなさん» いえいえ(^o^)/ (2014年11月26日 23時) (
レス) id: eadebd35f8 (このIDを非表示/違反報告)
みうな(プロフ) - ありがとうございます♪ヽ(´▽｀)/ (2014年11月26日 23時) (レス) id: 93348bd7a4 (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - みうなさん» たぶんもう鍵つけないと思います！でも、もしそうなった場合は聞いてくださって大丈夫です！ (2014年11月26日 23時) (レス) id: eadebd35f8 (このIDを非表示/違反報告)
みうな(プロフ) - また鍵をかけるさいはパスワード聞いても大丈夫ですか?? (2014年11月26日 21時) (レス) id: 93348bd7a4 (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - みうなさん» そんな風に読んでいただけたなんて嬉しいです(*´ `*) ありがとうございます、更新頑張っていきます！ (2014年11月26日 17時) (レス) id: eadebd35f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛美 | 作成日時：2014年11月15日 23時
