気付いて！色柱様！！【鬼滅の刃】

第４６話 ページ47

『あの……俺、帰っちゃダメですか？』

アオイ「ダメです！しのぶ様が任務から帰るまで待ってください！」



上弦との戦闘も終わり、俺は当たり前だが怪我が酷いため、蝶屋敷に担ぎ込まれた。

宇髄も酷い怪我だったはずだが、身体が頑丈すぎて半日で退院していた。

くそ……俺の身体も丈夫だったらよかったのに……



すみ「あ！しのぶ様帰って来た！」

『ッ！！』



確かに廊下からトトト、と足音が聞こえる。
やばい。早く逃げたい。



アオイ「では、ごゆっくり！」

『あっちょっ』


バタンと扉を閉められ、部屋に一人きりにされてしまった。
胡蝶さんと２人きりはキツい……



しのぶ「Aさん！」



胡蝶さんがものすごい勢いで部屋に入ってきた。
思わずビクッと肩を震わせた。



しのぶ「大丈夫ですか？急いで帰ったつもりなんですけど……」

『あぁ……いえ、あの、別に大丈夫ですよ……アオイさんたちが大袈裟すぎるだけで……』



ふわ、と窓から入ってきた風が俺の前髪を吹き上げた。おかげで隠していた左目が胡蝶さんにばっちり見られてしまった。



しのぶ「ッ、Aさんっ、左目が……」

『あ、いや、これは……』



俺は胡蝶さんの表情を見てギョッとした。
今にも泣き出しそうな顔をしていたからだ。



しのぶ「……でも、良かったです。貴方が生きてくれていて。本当に……」



そう言って胡蝶さんが俺の手を優しく握った。



しのぶ「昔、Aさんが私に言ってくれましたよね。私が死んだら悲しむ人がいるって」

『そう……ですね』



あの、雨の日か。



しのぶ「貴方も一緒ですよ。Aさんが死んだら悲しむ人がいます」

『そんな人俺の周りには———』

しのぶ「私です」



え。




しのぶ「私が、悲しいです」



俺の手を握る胡蝶さんの手に力が入った。

第４７話→←第４５話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す