同じ月を見てた ページ48
朝起きると、アレクシスは涙が頬を伝った。
全てを思い出したのである。
カイの声、表情、仕草、自分に向けられた全てを。
時に怒り八つ当たりをされたこともある。
残していたご飯を全て食べられたことだって。
色々めちゃくちゃであったが自分の不器用な言葉はいつもカイの心に届いていた。
いつだって自分たちは2人だった。
そしてロイの訃報が支部に届き、魔法が解かれたのだとすぐに理解をした。
「…彼奴を守る？ロイみてえなものが守るってことだろ。俺はただ……逃げてただけじゃあねえか」
アレクシスは急いで靴を履き外へと飛び出した。
空港まで車で飛ばし、アメリカ行きの飛行機に乗る。
( 俺はもう逃げねえよ、カイ。カイ！俺はお前がいねえ世界はもう嫌だ。
俺は必ず今こそお前を支部長にする。
お前に憎まれてようがお前に恋人がいようが、俺はお前のことが)
アメリカでやりたいことが増えすぎた。
血湧き肉躍るというやつだろう、アレクシスは生き生きとした表情で空港から走った。
( 俺が望んだ世界は…！！ )
数時間後。
カイを狙うアメリカ支部の幹部はもうわかっている。
自分が幹部から支部長になろうという魂胆で、かカイの命をとろうとしているのだ。
アレクシスは組織に忍び込み器用なまでに幹部の部屋の前まで来た。
ロイが死んだ今、チャンスだ。
そう思う。
「俺が敵ならよオ！！」
幹部の部屋の扉を蹴破り弾をぶっ放す。
狼狽した幹部たちは先日ロイを襲った残党である。
狼狽する間も無く次々と命が散った。
そして、
怒り仲間を呼ぼうとする支部長に銃を向けた。
「あんたもここまでだぜ、ええオイ？」
「アレクシス……貴様！」
「ロイの仇打ち？いやまあそこまで仲良くなかったケド。遺言を書け、時期支部長はカイだ」
「貴様それが目的か？！！」
「さあ〜。俺はフランス支部だからなア。けど、彼奴を支部長にしねえってならてめの組織全部潰す」
「そしたらカイは…！」
「彼奴なら一から作れるさ」
「無駄な殺生は嫌いなのよ。早くしねえと目ん玉から1発ずつ食らわすぜ？！」
支部長は急いでペンと紙を取り文字を書き起こした。
が、その行為が甘かった。
一瞬の隙をつかれ仲間を呼ばれすぐに駆けつけられたのだ。
「…！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：塩味 | 作成日時：2019年1月27日 19時
