塩宮明次郎のネタ帳 (ページ43)

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光と闇の魔法使いページ43

そして現在。

「テールちゃん」

陽気な声に振り向けば見慣れた相棒。

「テルじゃねえ！ヒカルだっての！」

「まあそんなおこになんないでよ～、寿命縮んじまうよ？」

お前のせいだ、と輝は苦言を呈したかったが毎度同じ繰り返しになるので流石にそこまで時間の無駄にはしない。

突然、舞は目の前でナイティードをつくりあげた。

「？！！」

「驚いちゃった～？めんごめんご。でもこれを見て欲しいんだなァ」

「何だこれは」

輝は指先に光を宿し、渡された資料へと目を通す。

《光の国の民とその王へ。神から与えられた魔力を無駄に使う貴様達の行いは神の冒涜へと繋がる。

強者は強者らしく力を振るうべきだ。

よって明日、貴国へと訪れ魔力を頂くことにした》

「…魔力を奪われることってあるのか？！」

「聞いたことねぇけど、こりゃまじだよ相手さん。どうすんの？」

「オレたちの使い方こそ正しいだろ！」

「俺をにらみつけんなって～！ま、お前の方が正論だけどさ。こりゃ宣戦布告同然だぜ。先ずはお前のおとーちゃんに言ってみないとだけど…ここを戦争の地にすんの？」

たしかにそうだ。戦場にするわけにはいかない。

輝は急ぎこの手紙を父へと渡した。
無論父は怒り、同様に焦りを見せた。

「舞！！！」

「はいよ、なんでしょー」

「命令だ、お前は本日からパートと言わず正式な…」

「おっとお断り。流石のお父上のお願いでもそりゃあ受けれませんなァ～」

「我が息子を助けたいと思わんのか！」

「………はァ？パートだからって信頼してもらえてないわけ？やだねぇ、心外だねぇ。

正規社員は本当俺の性分には合わないのよ。他にしてえことだってあるし？だからただパートでいるだけなんだけど？

息子を助けたいかどうかだって？愚問っしょ。

輝を守るってのは俺にとっちゃ人間息吸って吐く、それぐらい当たり前のことだぜ、ええ、おい？」

父の勢いに押されてはいたが輝は舞の言葉に顔から嬉しさをにじませ鼻の下を指でこすりながら笑った。

しかし、すぐにその顔は真剣そのものになる。
「ちょっと言いすぎたかしらん」といつもの調子で舞が隣に来るのを合図に父へと進言する。

「父ちゃん！こいつらここに来る前にオレと舞が行ってたたきのめすのはどうかな？！」

「…何？」

「え、聞いてないんだけど。時間外労働じゃね？」

「オレに案があるんだ！」

輝は爛々と目を輝かせながら一歩前へ踏み出した。