光と闇 プロローグ ページ41
昔、爺ちゃんがオレによく言っていたことがある。
力持つ者他者に振るわず、と。
何の力かって言うとそれは魔力だ。
生まれ持って魔力のある人間は世界に少数いるのだがそれらの人は万能感に浸りやすいという。
よって犯罪、戦争…力を持つ者はそれらを繰り返す。
しかしオレのじいちゃんのそのまたじいちゃんは力を犯罪などに使うのではなく建国に使った。
建国なんて無謀…いや、どういうことだと思うだろうけど、本当なんだ。
じいちゃんのじいちゃんは俺と同じで光の属性を持つ魔法が使えた。
しかし当然魔力のある人間は人から気味悪がられ迫害や差別を受けたから結婚なんてままならなかった。
じいちゃんのじいちゃんはばあちゃんのばあちゃん…めちゃくちゃややこしいがつまり2人は恋に落ちてとある島へと逃げ込んだらしい。
その島は力を持たないものからすれば無人島に見えるらしいが、島には割と人は住んでいる。
島国をただの無人島に見せられているのも光の魔法の応用らしい。
確か屈折がどうのこうの、人間の体の構造を利用したああだのこうだの。忘れた。
じいちゃんのじいちゃんが建てた城は立派だ。
現在、光の魔法は俺も受け継ぎ城にも住ませてもらっている。
じいちゃんのじいちゃんが建てた国も立派だ。
資源は山ほどあるし何せ光の魔法を活用したおかげで日本列島よりも発展しているかもしれない。
つか振るうなって言っておいて思いっきり振るってんじゃん？
つまりは間違った使い方をするなって言いたかったみたい。
まあこんなとこに住んでいるオレだが実は日本の本土に興味があって仕方がなかったし、友達も欲しかった。
そんなある日だ。
オレとあいつが出会ったのは。
あいつってのは雪乃坂舞。
舞は世界で最も希少とされる闇の属性の魔力を持った生き残りだ。
世界にはもう闇の魔法が使えるのはあいつしかいないんだって！
光と闇は相性が悪い。あいつがかけてるサングラスも魔力が施されているらしくて島が無人島じゃなくて普通に国に見えたんだってさ。
確かオレがまだ5歳であいつは9歳かな。
9歳の時に既に家族が居なかったあいつは無人島を転々としていたらしい。
闇の魔法の一つで、"ナイティード"というものがあって、簡単に言うと辺りが真っ暗闇の異次元空間を作り上げれるやつで転移魔法も備わっているらしい。真っ暗闇に飛んだ後もう一度行きたい場所を思い浮かべたら転移できるって。
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作者名：塩味 | 作成日時：2019年1月27日 19時
