相棒 ページ35
小鳥のさえずりが聞こえる爽やかな早朝。
珍しく早起きをしたカイは窓を開けて伸びをする。
太陽の光をたくさん浴びた後は台所でインスタントのミルクティーをカップを注ぎ口に含む。
窓越しから外を見るとクロッキーのナンバー車が通った。
アレクシスの影響だがこんな小さなことでも今日はいいことが起きる！なんてなとも考えてしまう。
その張本人、アレクシスに会おうとカイは部屋を後にした。
すぐ隣だから気楽に訪問ができるのだ。
カイは「入るぞ」と一つ断りを入れてから扉を無遠慮に開けた。流石に起きているだろうと思ったのだが中はしんと静まり返っている。
時計を見ると8時半。早起きのアレクシスなら遠に起きている時間だ。
体調が悪いのかと心配にもなった。
彼の寝室をおそるおそる開けるとズボンや下着が脱ぎ散らかされている。
カーテンを開けてやり部屋が明るくなるとカイは目の前に移った光景に声なき悲鳴をあげた。
脱ぎ散らかされた下着やズボンの他に、女性の下着や上等なワンピースが綺麗に畳まれていた。
さらには、ギリギリ大人2人が寝れるほどのセミダブルのベッドには見慣れた彼と他に女性が寝転がっておりこちらと目が合っている。
「ミャッッッ！！！！」
カイは驚きのあまり変な声が出た。
女性も甲高い声で悲鳴をあげ、「泥棒よー！！」とまで叫んだ。
「ち、ちがう！オレは泥棒ではないっ」
女性は慌てて自らの裸体を隠そうと掛け布団を引っ張るものだから気持ちよさそうに爆睡しているアレクシスの真っ裸の姿が目に写り込んでしまった。
ミケランジェロのような、彫刻に劣らぬような綺麗な肉体美だが彼は案外細い。
そんなことより、カイの目に焼き付いてしまったのは。
「ポルチーニおばけッ！！！」
乙女より乙女な反応を見せるカイに女性は口をぽかんと開けている。
流石にアレクシスは起床し騒ぐカイへと枕をぶん投げた。
「うるせえよっ」
「朝から嫌なもの見たデス…」
「この不法侵入…」
「だが鍵はかかっていなかった」
「え、まじで」
カイは投げられた枕をあっさり受け止め抱き締めた。口元まで隠したものだから、アレクシスの匂いがした。
アレクシスは下着をとりあえず履き、カイの肩へと気軽に腕を回すと別室へと無言で連れた行った。
「？？」
「女が着替えるところは見るもんじゃあねえ。お前は飯食って待ってろ」
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作者名：塩味 | 作成日時：2019年1月27日 19時
