二十四香 ページ26
彼と同棲してから、10日経った。
人生でトップに入るほど濃い10日だったと思う。
今日は何か豪華なモノでも作ってみようかな、なんて考え乍、横浜の繁華街をフラりと久々に一人で足を進める。
今まで伯父様が過保護過ぎた所為で、買い物さえ行かせて貰えなかったけど、生憎今日は太宰さんは殲滅任務に夕方から行ってるお陰で今こうして出られている訳なのだ。
伯父様の目を盗む?
そんなのエリスちゃんと取引してぱっぱーですよ。(語彙力お化け)
然し、本当に一人で横浜を歩くなんて久々なのだ。
伯父様に育てて貰ってから、エリスちゃんと護衛なしで一歩も外に出たことなんてない。
ましてや仕事迄も昔は監視下で行っていたほどだ。
勿論、其が私の為、組織の為だとは重々承知している心算ではある。
組織の大事な情報を持っているに加え、上層部との人間関係。
そして何より、其だけの位置にいながらにして攻撃系の異能を持っていないから。
伯父様が心配するにはもう十分過ぎるほどの事を私は抱えているのだ。
そりゃ私だって強い異能が欲しかった。
あんなこっといいな、でっきたらいいな、を叶えるのが異能力だと、昔はそう思っていた。
けど、実際異能に目覚めてみれば、別に敵を一瞬で倒せる訳でもなく、誰かの心情が判ったりする訳でもない。
勿論、太宰さんのような異能の範疇を越えた事が出来る訳でもない。
そして私の異能は特に他人に危害を加えることはない、寧ろ自身を追い詰めてしまうような云わば「邪魔な存在」となっていた。
でも、伯父様は其を否定した。
初めて、否定された。
だからこそ、私の胸にはより一層と奥深く掘られるように残されているのだ。
《異能力はね、持っているだけで特別なのだよ。》
別に特別になりたかったわけではないけれど。
其でも、「特別」と云う言葉を聞くと「邪魔な存在」だなんて思うことなど無くなった。
邪魔なのは、この邪念だけだった。
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ゆら(プロフ) - 棒緑カエル軍曹ってあれですよね!?あれ私も大好きです!! (2023年2月16日 20時) (レス) @page45 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - イージストさん» ご意見ありがとうございます。えと、少し考えてみます笑私もこの作品が好きなのでそう言うような形で続けられれば嬉しいですし。 (2019年2月27日 16時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
イージスト(プロフ) - これの中也バージョン見たいかも (2019年2月27日 15時) (レス) id: d35fbbbafd (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 博識のうさぎ(仮)さん» これからも、様々な小説で陰ながらこっそりと拝見させて、応援させて頂きます! (2018年12月10日 22時) (レス) id: 09928c8e9d (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - サキさん» ありがとうございます!更新頑張ります!こちらこそここまで読んでくださりありがとうございました! (2018年12月10日 20時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:
作成日時:2018年8月14日 9時