十七香 ページ19
「仲良く出勤、微笑ましい事だ。」
偶々通り掛かった伯父様の開口一番である。
其処って普通、「おはよう」若しくは「大丈夫?」ではないのだろうか。
まぁ幼女趣味に普通を求める事が一番の間違いかもしれないが。
「仲良いでしょ私たち。」
『……。』
「仲良いでしょ私たち。」
『何で二回云うんですか。折角私スルーしたのに。』
「上司の発言を無視する方が悪い。」
『何も云い返せない悲しさ。』
鼻根を摘まんで顔を伏せながら色々堪える。
何だろう、この二人ズレている部分が全く違うものにも関わらず、似ている気がする。
そんな私のことは気にせずに、伯父様はまた嬉しそうに話し出す。
「うんうん、一寸クールな所がAちゃんの照れ隠しなんだろうね。」
『勝手に決めつけないでください。』
「「可愛い〜。」」
『……。』
前言撤回、似ている処か瓜二つでございます。
目が全く一緒だ。
太宰さんにも何時か幼女趣味になる時期が来るのだろうか。
……駄目だ、頭が痛くなってきた。
『私提出書類があるので先に失礼します。』
「え、私も行く。」
『来ないでくだ____』
「行く。」
『はい。』
そんな真顔で詰め寄られたら頷くしかないじゃないですか。
拙い、完全に太宰さんのペースに呑まれている。
前にいる伯父様も伯父様でニヤニヤし乍笑っていた。
私はその伯父様の視線を振り払う様に横を大股で歩いていく。
すると案の定太宰さんも余裕そうな足取りで私の隣に並んできた。
私は無意識か、先程の会話でずっと感じていたことを口にした。
『……茶化すのはやめてください。』
「茶化す?私は唯本心を云っただけなのだけれど。」
『ほらまたそうして_____、』
キッと太宰さんを睨もうと顔を向けると、太宰さんは予想外の事に優しく微笑んでいた。
その表情に驚いたのか、思わず足が止まった。
………何で、こんな笑顔が出来るの?
貴方はマフィアなのに、如何して私にそんな表情を向けてくれるのか。
『……判らないです。』
「うん、判らなくても良いよ。」
そう云って私の頭を優しく撫でる。
『やめてください、フェロモンが痛いです。』
「私のフェロモンってそんなに刺々しいの?」
『ほら、美しい薔薇には棘があるって云うじゃないですか。』
「それ褒めてるよね。」
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時間があるわけでもないのにお絵描きしてました。
更新速度遅くてすみません。
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ゆら(プロフ) - 棒緑カエル軍曹ってあれですよね!?あれ私も大好きです!! (2023年2月16日 20時) (レス) @page45 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - イージストさん» ご意見ありがとうございます。えと、少し考えてみます笑私もこの作品が好きなのでそう言うような形で続けられれば嬉しいですし。 (2019年2月27日 16時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
イージスト(プロフ) - これの中也バージョン見たいかも (2019年2月27日 15時) (レス) id: d35fbbbafd (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 博識のうさぎ(仮)さん» これからも、様々な小説で陰ながらこっそりと拝見させて、応援させて頂きます! (2018年12月10日 22時) (レス) id: 09928c8e9d (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - サキさん» ありがとうございます!更新頑張ります!こちらこそここまで読んでくださりありがとうございました! (2018年12月10日 20時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:
作成日時:2018年8月14日 9時