もう逃げないでII 4【爆豪勝己】 (ページ10)

今日:29 hit、昨日:9 hit、合計:29,122 hit

#155 大人編ページ10

＊

「ここ！？」

「豪邸やー！！」

「すっごい大きなお家ね」

目の前に現れた高級マンション

これぞ東京のタワーマンションである

「階は知らねぇ」

正直、緑谷たちもヒーローとして名を馳せているため、かなり収入が高い方ではあるのだが、それでも圧倒されるほどのマンションだった

「入口…行ってみる？」

郵便受けから陽月の名前を確認出来れば、そこが彼女の住んでいた場所である

「陽月、陽月…うーんなさそう？」

「見つからないね」

「やっぱりお引越ししちゃってるのかもね、ケロ」

「収穫なしかー」

爆豪にも階を教えてないのである

そう簡単に見つかるはずがない

「どっか喫茶店でも入らない？」

「そうだなー」

マンション周辺には喫茶店などは見つからない

そのまま歩いていると、マンションから数分歩いたところに喫茶店を見つけた

「いらっしゃいませ」

「えーっと、アイスコーヒー5つで！」

「アイスコーヒー5つですね、かしこまりました」

緑谷は、その店員に見覚えを感じた

どこかで目にしたことがある顔である

「デクくん？どうかしたん？」

「あの店員さん、どこかで見覚えあるんだけど思い出せなくて…」

「そういう時は、相手の特徴的な部分をよく見るといいわよ」

蛙水に言われたとおり、店員の顔をよく見ているとアイスコーヒーを運んできた時に、少しばかり苦笑いをされた

「はっ！あっ、その、ジロジロ見てしまいすみません！」

「大丈夫ですよ、お気になさらないでください」

そんな会話をしていると、お店に入ってきた子供たちから声が聞こえてきた

「あー！あそこにいるの、プロヒーローの人達じゃない！？」

「え、まじかよ。ちょっと見せろよ」

「あれは、ダイナマイト、ウラビティ、烈怒頼雄斗、フロッピー、それからデクまでいますよ！！」

「おいお前ら、騒ぐのも程々に…」

何度も言うが、彼らは日本で名を馳せているヒーローである

子供たちからしたら、そのヒーローに会えるなんてテンションが上がるのであろう

そのことを完全に忘れていたのか、急なファンの登場に全員しどろもどろしていた

「こらこら、ヒーローの皆さんも今はお仕事中じゃないみたいですし、あまり迷惑をかけては行けませんよ」

店員と子供たちは知り合いなのか、仲が良さげに見える

＊