#182 大人編 ページ37
*
爆豪side
《こちら警察署。××市の裏路地周辺で爆発音が聞こえたとの通報あり。近くにいるヒーローはすぐに向かえ》
《了解》
事故を起こして暴走したヴィランを止め、一息つけると思った瞬間に入った無線連絡
正直休みたいが、ヒーローである以上行かない訳にも行かず、爆風で向かう
入り組んだ裏路地で、暴走するロボットに、誰かが攻撃を受けているのが見えた
どうやら人の方は身動きが十分に取れていない
人が壁に追い詰められ、ロボットの腕が壁の方へと向く
ひとまずロボットの腕を飛ばし、上から蹴りを入れて攻撃する
ロボット自体は強い訳ではないが何度も何度も立ち上がってきてかなりめんどくさい相手だった
すぐに片付け、壁に追い詰められた人の方を向くと、いつの間にか首にまで縄が巻きついており、酸欠なのかぐったりしている
首の紐を解き、切って解放すると急に入ってきた空気に肺が追いついていないのか、酷く咳をし始めた
その間に手足の紐も切り、声をかけてみる
「おい、大丈夫かよ」
『なんで?
ゲホッ、ゴホッ
なんでいるの?
かっちゃん……』
その呼び方と弱々しい声を聞き、頭を誰かに殴られたかのような衝撃を受けた
「……この辺で爆発音が鳴ったっていう通報を聞いて、近くにいた俺が来た」
自分の状況を整理するためにそう呟く
『かっちゃ…… ゴホッゲホッ』
俺の名前を呼ぼうとするも、酸欠のせいでまだ上手く息ができてない
「酸欠で意識が朦朧としてた。無理するな」
無線で事務所と警察署に連絡を入れ、もう一度元の方向を見る
「てめェ、なんでこんなところにいた。
今まで何してた?なんで紐で縛られて、あんなマシンに攻撃されてんだ?あ゛?」
特に考えもせず、思ったことを口にした
今まで、俺たちを避けるような行動ばかりしていたのに
俺が無線を受けて向かった先で、拘束されてロボットに攻撃されている
『かっちゃ…』
泣きそうな、
さっきよりも弱々しくなった声で言った
『会いたくなかった
でも…
会いたかった』
その言葉を聞いて、抑えていた感情が溢れた
そして思わず、Aを強く抱きしめた
「あぁ… 俺も、俺もずっとてめェに会いたかったんだよ」
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作者名:レモネード x他1人 | 作成日時:2022年5月4日 18時