#174 大人編 ページ29
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本来、すぐにでも爆豪に伝えるべきなのはわかっている
だが、それを伝えて爆豪がどんな感情を抱くかの想定ができないのだ
だからこそ伝えられない、そう緑谷は話した
「なるほどな。またみんなで話す必要がありそうだな」
「うん、僕も話さなきゃいけないなとは思ってるよ」
「悪ぃ、そろそろ任務の時間だ。また時間があれば話そう」
「僕もそろそろだよ。じゃあまたね、轟くん」
あっという間に時間はたち、そろそろ出口で待機することにした
だがひとつ、緑谷には疑問があった
「…轟くんもここで待つの?」
「緑谷もか。任務でな、ある人の世話役だ」
「奇遇だね、僕も全く同じ任務だよ」
すると、飛行場の出口から人が1人、2人の方に駆けてきた
深く帽子を被っているため、顔はよく見えない
「デクとショートさんですか!?」
「え!は、はい!」
「そうだが、どうした?」
「今回任務をお2人に依頼した人です!!」
2人は顔を見合わせる
同じ人からの依頼だったため、ここで会ったのだと
2人は、急に納得した表情へと変わった
その瞬間、少女の声色が変わった
『久しぶりだね、2人とも』
帽子のつばを上げ、微笑んでウインクした姿は、その変わらぬ姿を強調するかのようだった
「な、な、な、なんでここに…」
声が言葉にならず、ハクハクと口を動かして、目を点にする緑谷。
その横で、轟も驚いたように目を開いていた
その少女とは、彼女、陽月Aである。
「Aちゃんがい、依頼ってどんな…?」
そして、任務内容を思い出す
NSBの人が1人日本を訪れるからそのサポートをして欲しい、というものだ
「もしかしてAお前…」
どうやら、轟にも同じ内容が伝わっているようだった
『こんなところじゃあれだし、どっか行こ?私久々に日本食食べたいの!』
「そ、そうだね… そうしようか」
「ああ」
ちょうど時刻はお昼の時間。
また、先程はお茶のみで食べていなかったことからも、近くの日本食屋に入って食べることとなった
Aは天ぷらを、緑谷はカツ丼を、轟は蕎麦を頼み、とりあえず一息ついた。
「それで… Aちゃんは今、何をしているの?」
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作者名:レモネード x他1人 | 作成日時:2022年5月4日 18時