#148 大人編 ページ3
*
「おい緑谷?」
「どうかしたのか?」
上鳴や瀬呂から不思議そうに告げられ、緑谷は意を決したように話し出す
「じっ実はね!今度仕事でアメリカに行くんだ。」
「まじか!?」
「ほんとなん!?」
「うん。仕事内容は向こうに行ってからじゃないと知らされないんだけど、向こうで手がかりを探してみるよ!!」
「おお緑谷!!」
「男らしいな!」
「これぞギャップだね」
緑谷の発言に、場の雰囲気は明るくなる
それと反対に、暗くなっていく人が一人いた
「あ?てめぇが探すだァ?随分と舐めたマネしやがってよォ!」
「ば、爆豪落ち着けって!」
自分ではなく緑谷が探しに行くということに不満を持ったのか、爆豪はあからさまに機嫌を悪くした
「ち、違うよ!僕は少しでもAちゃんを探せたらって…!」
「それをあいつが望んでなかったらどうすんだよ!?」
「そ、それは…」
爆豪の言うことも一理ある。
3年間、誰よりも近くで彼女を見てきたからこそ考えられることである
皆からの連絡を絶っているAが、探し出されることを望んでいない可能性も高い
その場合、無理に探し出す訳にも行かないのだ
「あ、相澤先生なら、何か知ってるんじゃないかな?」
「耳郎ちゃん、ナイスアイデアね」
「おお確かに!電話、電話してみようぜ!」
耳郎の提案により、代表して緑谷が電話をかける
Prrrrrr
「はい」
「相澤先生!少し聞きたいことがあるんですけど…」
「緑谷か。久しぶりだな、元気してるか?」
「あ、はい!あのそれで、知りたいことがあって」
「知りたいこと?なんだ?」
久しぶりに聞く担任の声に、少しの緊張感が走る
緑谷はスピーカーをONにして、全員に聞こえるようにした
「実はその、今同窓会を開いているんですけど、Aちゃ… 陽月さんとだけ連絡が取れなくて。先生何か知りませんか?」
「緑谷だけじゃなく全員いるのか。陽月のことなら俺は知らないな。」
「そう、ですか… 先生は今でも連絡取ったりとか…?」
「一応な。だけど、だいたい留守電かメールで、たまにメールが帰ってくる程度だよ。」
なぜ自分たちより担任の方が連絡を取れるのか
そんな言葉が脳裏に浮かんだが、思えば最近になるまで連絡を取っていなかったこともあり、何も言えなかった
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作者名:レモネード x他1人 | 作成日時:2022年5月4日 18時