もう逃げないでII 4【爆豪勝己】

#168 大人編 ページ23

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「こちらデク、対象らしき人物を1名発見。慎重に後を追いかけます」





12月24日、クリスマスイブ

人々は明日のクリスマスに向け、プレゼントを用意するなど街全体がどこかお祭りムードの中、午後に集合した緑谷たちはそれぞれの位置につき、現在彼らの動向を詮索中だ


緑谷は一日で叩き込み、3日で完全に覚えた土地を慎重にパトロールしていた










全身黒の服を着た人に注意せよ


そう告げられ、全身黒色の服の人を緑谷は片っ端から見つけは報告していた



彼は日本のヒーローであるため、ノック2人とその他の日本人メンバー以外の人を担当している

既に顔は有名なため、気づかれても困るのだ












「黒い服の人は多いけど、金髪や銀髪の人はなかなか見当たらないな…」


冬ということもあり、オシャレとして全身黒の人ももちろんいる訳で

イラストの特徴に近い人を見張っていたが、先程見当違いだということもわかった









すると緑谷は、ある1つのビルの屋上の上で足を止めた



「ここからの景色は、眺めがいいや」




初日のパトロール中に見つけた場所で、街全体を見渡せる場所だ。疲れも吹き飛ぶと、パトロールで通る際には必ず足を止めていた




「こちら○○、対象と思われる金髪女性を発見。取引をする本人ではない模様」


一度に様々な情報が流れ込んでくる


「デクの担当地域の方へ向かっています。十分に警戒するように」

「了解です」





街全体を見渡せる、ということは組織のメンバーが来てもわかるわけで、ひとまず留まろうと決めた

このような場合、焦ってとにかく動くとすれ違いやすくなるため、見晴らしの良いところで相手を待ち構えるのだ











金髪の女の人と聞いていたせいか、すぐ近くまで来ていた銀髪の彼女の存在には気が付かなかったらしい


否、気づけなかったと言った方が良いのだろう


なぜなら彼女は気配や雰囲気までもを操り、あたかも初めからその場にいたように見せることが得意なのだ


緑谷だけではなく、もしかしたら他のプロヒーローや警察でも彼女が来たことを悟らせないほどには、彼女の操りは完璧だった














「この屋上が好きなの？ヒーローさん」



「え…？」












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