もう逃げないで【爆豪勝己】 (ページ47)

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職場体験当日

これから、1週間の職場体験が始まる。

さあ、ここで問題がある

『ねぇ轟くん、私まったく行き方分からなくて、案内お願いします。』

「わかった」

エンデヴァー事務所、どんなとこだろ

多分No.2って言葉は禁句だね

お口ミッフィーにでもしておこ

あの日家に帰って、エンデヴァー事務所に職場体験行くって行った時はお母さん、めちゃくちゃ怖かったけど、何とか説得できた

エンデヴァーについて知らないのに行くのは失礼だと思い、調べたけど興味無さすぎてほぼ頭に入ってない…

だからといって轟くんには聞けないんだよなああああ

「陽月。」

『はいなんでしょう』

やっば、心の中のテンションで返しちゃった

轟くんは、一瞬？を浮かべていたが、すぐに戻った

「前に、エンデヴァーのことまったく知らないって言ってたよな。」

『あ、うんそう。ヒーロー全然詳しくなくて。名前がギリギリ』

「よくそれでヒーローになろうと思ったな。」

組織の命令なんだよ！！

私の意思ではないです

『まあ、そこら辺は色々あるの。』

「そうか。それで、もしあいつからなんか言われても、全部無視していいからな」

『え、いやさすがにそれは…』

「もちろん、任務以外のことでってことだ。それ以外の、プライベートなことを聞かれたら、全部無視でいい。」

『はぁ、了解しました』

エンデヴァー事務所はわりと都心の方だが、そこそこ時間がかかる。

ここで無言っていうのも悲しいよなぁ

『ね、轟くん。もし可能であれば、ヒーロー目指した理由知りたいんだけど… いいかな？』

「…」

『あ、ダメですか。すいません』

「憧れだ。お母さんとオールマイトを見ていた。俺はオールマイトに憧れた。だから、ヒーローになりたいと思った。」

『やっぱ、オールマイトってすごい人なんだね』

「No.1だからな。ヒーローを目指せと口うるさく言われていたせいで見失っていたが、俺が目指すのはオールマイトみたいなヒーローだ。」

『憧れがいる、っていいねー』

「そういう陽月はどうだ？」

『え、私？私はなぁー』

転生して、気づいたら組織の命令でヒーロー目指してたんです！とは言えない…

もっといえば、私あんまこの転生した子のこと知らないんだよなぁ

『うーん、なんだろ。気づいたら、かな…』

「気づいたら？」

『そう、気づいたら。みんなみたいに憧れがいる訳でも、夢がある訳でもなく、気づいたら。』

「そうか。」

『そう。』