#22 ページ23
『助けて、た…』
「あ?」
『相澤先生が倒れて、梅雨ちゃんたちが、運んでって。ついて行ったの。轟くんにも、相澤先生の方をよろしくって言われたし。』
「それが、なんであんなに大泣きするまでになんだよ。なんだ?相澤先生の置き方でもミスったのか?」
違う、という意味をこめて首を振る。
これは話していいのかな
話すことで、同じつらさを、爆豪くんに背負わせることにならないかな?
こういう時に限って弱虫なのほんと嫌だ
「てめぇ、俺がお前の話聞いてどうこう思うとか考えてんじゃねぇだろうなぁ?今まで関わったことないてめぇの悩みなんぞで、俺が悩むわけねぇんだよ!」
『爆豪くんって、ほんと優しいよね。一言余計だけど。』
「今のてめぇの方が一言余計だわ!!」
『うん。あのね、私ね、前に少し話したかもしれないんだけど、実際の個性はスピードじゃないの。ほかの個性。その個性を応用したらね、少しだけ治癒もできるんだけど…』
「ふーん、それで、その治癒を相澤先生に行ったと?」
『そう。腕を抑えてたから、腕を怪我したことはわかってたの。だからね、腕の治癒は行った。おかげで、腕に後遺症は残らなかったみたい。私は、とにかく後遺症が残らないようにって、怪我を和らげようと思ってたの。でも、でも…』
「目に後遺症は残ったのが気にかかってるつーことか?」
『気づけなかった。個性を使ってるのを見られたくないってこともあって、梅雨ちゃんに怪我の内容を聞くのも忘れた。だから、だから…!』
「なんでてめぇがそこまで個性にこだわんのかは知らねぇが、てめぇは特に間違ったことしてねぇだろ」
『え?』
「俺たちはまだ入学したばっかだろ。それでも、助けようって思ったのは、雑魚なてめぇでもやろうって思ったってことだろ。まあ、次また同じことしたら雑魚以下だけどな」
そっか、ここではもう一度、があるのか…
組織では、もう一度、なんてない。
1度失敗したらそこまで。
もう誰も、その人のことを頼ろうとはしないし、なんなら殺されててもおかしくない。
『爆豪くんにしては、いいこと言うんだな…』
「だから、てめぇは一言余計なんだよ…!って、こいつ寝やがった!!!ほんとにめんどくせぇなこいつ!!」
その後、雄英高校には大きな爆発音が響いたらしい…?
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作者名:レモネード x他1人 | 作成日時:2022年1月28日 15時