落し物を拾っただけのはずだった…【アイカツプラネット】

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空音side

オーデション前日の夜。

私は遅くまでレッスン室に残っていた。

時刻は一日の終わりまで三時間を切ろうとしていた。



初日は自己アピール審査。

場合によっては少し歌ったり、踊ることもあるらしい。

受かったらすぐにボーカルテスト、ダンステスト、最後に残った五十名のステージ審査。

そして優勝者がCMに出てデビューできる。

ステージ審査はポイント制で、計三回のステージで最もポイントが高かった人が優勝。

ちなみにこのポイントは視聴者ポイント、ボーカルポイント、ダンスポイント、ドレスポイントの四種類に分かれているらしい。



最後の五十人には絶対ならなきゃ。

オーデションで優勝できなくても、最終審査まで行った人は、稀に声がかかってデビューすることができるらしい。

だからとりあえずは、ボーカルテストとダンステストを通過しないと。



「♩〜」


「いや、なんか違うきg… ひえぇっ！


「空音ちゃん、そんなに前日に頑張ってたら、明日倒れちゃうよ？ 休憩とってる？」



急に頬に触れた冷たい何か。

声のした方をみると、舞桜さんと栞さんが立っていた。

その手にはタオルとスポーツドリンクがあった。



「空音ちゃん、頑張るのはいいことだけど、頑張りすぎるのは良くないよ！」


「でも…」


「さて、ここで問題です。オーデション前日に一番やるべき大切なことは？」


「え？ えっと… トレーニング？」



私がそういうと栞さんはブッブーっと言った。

じゃあ… 正解は？



「正解はしっかりと食事をとってゆっくり休むこと！」


「体調崩しちゃ、元も子もないよ。だから今日はおしまい！ 明日のために力を蓄えてね！」


「あ、そうですね… 大事なこと忘れてました」



お二人にそう言われたため、私は家に帰って休むことにした。



舞桜side

空音ちゃん、やっとレッスン室から出てくれた〜！

今日一日、ずっと篭ってたんだよね…。


「よかったね、舞桜」


「うん！ そういえば栞、さっきのクイズあれ本当？」


「正解は色々あるんじゃない？ でも今は休んでもらいたかったから、嘘ついちゃったかも」


「まあ、結果オーライだし、いいんじゃない？」



空音ちゃん、オーデション頑張ってね！

よーし、私も明日のお仕事頑張るぞ！

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