落し物を拾っただけのはずだった…【アイカツプラネット】

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空音side

アイプラフォンから出る音に合わせて全力で踊る。

失敗はできない。

頭からつま先まで意識して体を動かす。

踊り終わると、呼吸が荒くなっていた。


「空音、お前さ」


なんて言われるんだろう。

ダンス下手とか言われたらどうしよう。

リズム感ないとか言われたらどうしよう。

でも、ビートサンダーが言った言葉はどちらでもなかった。


「お前のダンスは嫌いじゃない。常に全力って感じがする。ただ...

失敗することを恐れているっつーか、お手本を間違えちゃいけないと思ってるっつーか」


「つまり、型に沿って踊ってるだけ。お前らしさがないんだよな」


型...

私らしさ...

私らしいダンス...


「もう一回だけチャンスやるよ。その時にはお前らしいダンス見せてくれよ」


「あっ...」


ビートサンダーはどこかへ消えてしまった。


「空音、君はすごいよ」


「なんで... 自分らしいダンスもできないのに」


「だって、サンダーがもう一度チャンスをくれたんだ。きっと、君の心の中の想いを感じ取ったんだろうね」


「それは、そうですけど...」


シャインブルースカイがそう言ってくれるのは嬉しいけど、でも...

私らしいってなんだろう。

モヤモヤした気持ちが私の心を支配していく。


「シャインブルースカイさん、一旦事務所戻ります。また来ますね」


「ああ、待ってるよ。あまり深く考えなくていいと思う」


私はアイカツプラネットから事務所へと戻り、そのまま家に直行した。


ずっと考えてたけど、私らしさが何かは分からなかった。

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