いつか、絶対に。【進撃の巨人】 (ページ49)

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「次の壁外調査だが、ウォールマリア内を散策し、拠点に出来そうな場所を探すことだ。」

　手元の資料には、陣形が描かれている。

　そういえば、初陣も拠点を作るための壁外調査だったと思い出した。

　「そして、今回からは"長距離索敵陣形"を用いて散策を行う。」
　

　資料をよく見ると、分隊の配置が書かれていた。

　「まず、各分隊に班を2つずつ設ける。そして、リヴァイ。君が率いる特別作戦班は、今回は設けない。君は第二分隊と行動を共にしてくれ」

　エルヴィン団長の碧眼が、リヴァイを見つめる。

　
　「了解だ。」

　リヴァイが小さく頷くのが見えた。

　…珍しいな、リヴァイが人に従うなんて。

　団長だから、とか。そういうのじゃなくて、エルヴィン団長とリヴァイの間に、何か特別な絆があるように思えた。

　
　リヴァイも、変わったな…。

　そんなことを考えていると、団長は、今度はこちらに目を向けて言った。

　「それぞれの分隊長の班員の構成は、今回は私が割り振った。」

　これを、とエルヴィン団長から資料を貰い、ミケ分隊長と一緒に覗き込む。

　「班長はナナバとゲルトか…。申し分ないな」

　ミケ分隊長が顎を撫でながら呟く。

　ナナバさん…。

　ミケ分隊長より薄い金色の髪を、真ん中よりすこし左で分けている兵士だ。

　
　ナナバさんの率いる班は…

　ゲルガーさん、レイクさん、ユレイナさん…。

　ゲルガーさんは聞き覚えがあるし、ユレイナさんはわかるけど、レイクさんは分からないな…。

　少し下に視線をずらすと、今度はゲルトさんの班。

　カイさに、ミドさん…。そして、サニさん。

　カイさん以外は分からない…。

　
　「何かあれば言ってくれ」

　団長が、机上で手を組みながら問いかける。

　ちらりとミケ分隊長に目をやると、ぱちりと淡褐色と視線が噛み合った。

　「…何かあるか？」

　「いえ…。あまり、知っている人が居なくて」

　そういうと、ミケ分隊長は、小さく"あぁ…"と零した。

　「俺が見る限り、力量にもさほど差は無いし、大丈夫だろう…」

　「なら、心配無さそうですね」

　ミケ分隊長が言うなら、きっと大丈夫。

　他の班も特に問題は無いらしかった。

　「決まりだな。では、これにて幹部会を終了する。」

　団長の一言で、皆が一斉に席を立つ。

　その流れに身を任せ、私も会議室を後にした。