検索窓
今日:1 hit、昨日:18 hit、合計:22,695 hit

# 33 ページ35

急いで馬を進めていると、やがて陣形の最後尾であろう部分が見え始める。



 よかった…。


 ほっと胸を撫で下ろす。

 馬の手綱を強く引いて速度を上げ、ようやく追いついた。



 …後衛の中でも割と中心部にいたはずのユレイナさんが、今や1番後ろにいる。



 「ユレイナさん!」

 
 後ろから大きく声をかけると、ユレイナさんは振り向き、やがて目を見開く。


 「Aちゃん!生きていたの?よかった…」


 安心したようにそう言うと、ゲルトさんやカイさんも後ろを振り向いた。



 よかった、みんな無事だ。


 ミケ分隊長も、きっと前衛で活躍していることだろう。




 「黄色の煙弾が見えました。どういう状況ですか?」

 
 すこし緊張しながらもユレイナさんに尋ねると、落ち着いた表情をしていた。


 「あぁ…。今から森の中に入って拠点を探す予定なんだけど、どうも雨が降りそうでね…。雨が降って陣形が崩れてしまうと被害が大きくなるから、それを防ぐためだと思うけど…」



 「なるほど…」



 ふと空を見上げると、真っ黒な雲が全体を覆っていた。


 さっきまでは雲ひとつなかったのに…。


 
 暫く見上げていると、やがて落ちてきた雫が頬に滴る。


 
 「Aちゃん、森。入るよ」


 ユレイナさんの声に右を向けば、緊張した面持ちをしていた。



 暫く進むと、雨が激しくなり始める。



 土はぬかるみ、気を抜けば転げてしまいそうだった。
 

# 34→←# 32



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
102人がお気に入り
設定タグ:進撃の巨人 , 逆ハー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:来世は春菊 | 作成日時:2023年11月25日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。