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『A Aちゃんって知ってる?』
すると川上は、ニヤリと口角を上げた。
「知ってるも何も、俺の弟子です。」
『は……!?』
え、川上の弟子?
ならインタビューは川上について言えば良かったんじゃないか。
『どういうこと!教えて‼』
すると川上は口に手を当ててクスクス笑う。
イケメンだから絵になる。なんか悔しい。
「はは、伊沢さん相当Aに興味あるんすね。」
『興味あるも何も、だって注目するでしょ。』
『っていうか、え、Aさん東京在住じゃないの?』
「はぁー……じゃあ話しますよ。」
(川上Side)
出会いは俺が高校2年生、Aが中学1年生のときだった。
もう何度目か分からない地元でのクイズ大会。
自分で言うのもなんだけど、毎回優勝してるし、弱い人ばかりでつまらないと感じていた。
そんな心情で迎えた俺は、衝撃の事実を耳にする。
「予選1位、川上と同率で中1の子いるってよ」
「しかもその子、クイズの部活入ってないって。」
「しっかり勉強し始めたのは半年前だとよ」
__は?
自己流で半年前から始めた勉強で予選1位?
嘘だろ。
いつもとは違う緊張が俺を襲った。
急いで予選の結果を見に行くと、
“予選1位 灘高校2年 川上拓朗
〇〇中学1年AA”
という表記があった。
〇〇中学って、東京の進学校じゃなかったっけ。
どういうことだろう?
この大会は、順位が近いと決勝までは当たらない。
しかし、予選の結果のまま行けば、決勝は俺とあの子。
あの子にすごい興味が湧いて、準決勝を見に行くことにした。
対戦するのは4人。
しかし明らかに挙動不審な子が1人。
___あの子がAAさんか。
周りをキョロキョロし、不安そうにしている。
大丈夫かよ。
そんなこんなで、問い読みが始まる。
「問題。」
すると、あの子__もとい、Aさんは低い姿勢で食い入るように出題者を見つめている。
あの姿勢、どっかで見たことある……
ってあぁ、伊沢さんか。
なんて考えると、問読みが始まった。
「なぜや」
ぴんぽーん
「ジョージ·マロリー」
「正解!」
確かに確定ポイントではあるけど、読ませ押しがうまい。
そして、何より、
「やった!」と喜んでいるときの笑顔。
そのギャップに惹かれた。
この子、絶対伸びる。
そう確信できる何かが、その子にはあった。
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姫宮りな(プロフ) - こんにちは!!!さん» ありがとうございます。もしかして:学校同j((( (2020年7月1日 17時) (レス) id: f4ccc602c4 (このIDを非表示/違反報告)
こんにちは!!! - はじめまして、あの、その、このお話を読んだ時に、マンドリン、テレビ出演禁止とかをみて、私の学校と似てるなーなんて思いずっと読ませていただきました!すごく面白かったです!19より。 (2020年6月12日 10時) (レス) id: 862c971c3b (このIDを非表示/違反報告)
姫宮りな(プロフ) - みなみさん» そんな暖かく迎えていただけるなんて……もう感動です。書き手冥利に尽きます。ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します。 (2019年10月19日 20時) (レス) id: 44cfe62c3a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - お帰りなさい!実は、密かに読んでいたので嬉しいです!これからも自分のペースで更新頑張って下さい。 (2019年10月19日 20時) (レス) id: 1c715d90c6 (このIDを非表示/違反報告)
姫宮りな(プロフ) - ぶどうさん» 本当ですね!訂正させて頂きました。ご指摘ありがとうございます。読み返したくなるだなんて言って頂けて光栄です。更新も頑張ります。どうかこれからもよろしくお願い致します! (2019年9月23日 20時) (レス) id: 14cd469b25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姫宮りな | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Rina_Himemiya
作成日時:2019年9月5日 22時