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私にも、過去にテレビのオファーは来たことがあった。
しかしそれも毎回、校則という逆らえない理由で断らざるをえないから出演歴はゼロ。
これからも一緒にクイズしてもらえるのか。
……いや、皆さんはテレビ出演を理由に誰かから姿を消すような人ではない気がする。
心配なのは周りの目。
確かに、私から見ても贔屓目なしにみなさんはイケメンだと思う。
それに対して私なんかが一緒にいていいのか。
どんどん大きくなる不安。
そんなときに連絡をくれたのは、やっぱり師匠だった。
川上師匠そうだけど?
川上師匠あー、Qさまか。
かっこよかったです。
どうしよう、こうやって連絡とっても不安は拭えない。
……すると、師匠から電話がかかってきた。
「A大丈夫?」
いつもの川上さんの優しい声にようやく落ち着いた涙がまた溢れてきた。
ダメだ、泣いちゃダメ。
『なにもないですけど……』
「嘘だ。」
「急にLINEもいつもより素っ気なくなったし、声が悲しそうだし。」
「何年Aの師匠やってると思うとんの⁉」
やっぱ敵わないな、師匠には。
『いや……今日のQさま、かっこよかったんですけど、みなさんが遠くに行ってしまったように感じました。』
ダメだ、口に出したらまた涙が。
『川上さんは……(グスッ)これからもこんな私とクイズしてくれますか?』
「そんなん当たり前やろ。」
いつもの川上さんっぽくない力強い返事。
「初めて出会ったとき、なんでこんな強いんだって思ったと同時にもっと強くなるなって思った。」
「だからそのまま別れたくなくて、声をかけた。」
知らなかった。そこまで考えてくれていたなんて。
「はじめの頃は照れくさかったけど、好奇心が強くて、吸収力もあるAに教えるのは楽しい。そして、俺が負けることもあるくらい強くなって嬉しい。」
そうなんだ。私も楽しいし感謝してる。
「だから、俺はAとの関係は一生続くと思っとるよ。違うん?」
また泣きそう。そんなこと言われたら泣いちゃう。
『はいっ!』
私は大きな声で返事をした。
「あと一個覚えててほしいのはAも人気だってことかな。」
『え……?』
私も人気?
「だから私なんかとか言わないの。」
『はーい』
こっちはよく分かんないけど、元気が出た。
「じゃあおやすみ。」
『ありがとうございました。おやすみなさい。』
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姫宮りな(プロフ) - こんにちは!!!さん» ありがとうございます。もしかして:学校同j((( (2020年7月1日 17時) (レス) id: f4ccc602c4 (このIDを非表示/違反報告)
こんにちは!!! - はじめまして、あの、その、このお話を読んだ時に、マンドリン、テレビ出演禁止とかをみて、私の学校と似てるなーなんて思いずっと読ませていただきました!すごく面白かったです!19より。 (2020年6月12日 10時) (レス) id: 862c971c3b (このIDを非表示/違反報告)
姫宮りな(プロフ) - みなみさん» そんな暖かく迎えていただけるなんて……もう感動です。書き手冥利に尽きます。ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します。 (2019年10月19日 20時) (レス) id: 44cfe62c3a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - お帰りなさい!実は、密かに読んでいたので嬉しいです!これからも自分のペースで更新頑張って下さい。 (2019年10月19日 20時) (レス) id: 1c715d90c6 (このIDを非表示/違反報告)
姫宮りな(プロフ) - ぶどうさん» 本当ですね!訂正させて頂きました。ご指摘ありがとうございます。読み返したくなるだなんて言って頂けて光栄です。更新も頑張ります。どうかこれからもよろしくお願い致します! (2019年9月23日 20時) (レス) id: 14cd469b25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姫宮りな | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Rina_Himemiya
作成日時:2019年9月5日 22時