クイズに愛された美少女

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ぴんぽーん

深夜に近い時間、川上さんがインターホンを押すと、
「はーい」という伊沢さんの声が聞こえてきた。
……河村さんは？


少しして、
「よ！Aも久しぶり！！」
『こんばんは！お久しぶりです！』

やはり伊沢さんが出てきた。


「河村さんは？」
「今実験中だから中入ってー」

河村さんという方は実験をされているらしい。
……分かった。変わってる人だ。


とりあえず靴を揃えて上がらせてもらうと、
伊沢さんは寝っ転がっていて、河村さんはキッチンにいらっしゃるらしい。


『やっぱり挨拶した方がいいですよね。行ってきます。』

「ん、俺も一応着いてく。」

一声掛けたら川上さんが着いてきてくれるらしい。……やっぱり優しいよな。


キッチンまで歩いていくと、顔立ちが整った男の人が見えた。あの人か。

『あの……』と声を掛けると、
「え！？」と驚きながらもこちらを見る河村さん。

「もしかして、AAさん？」
『ご存知でしたか！』

どうやら私のことはご存知だったらしい。

「えー、川上が高校生の友達とか言うから男かと思った。彼女？」

『「違います」』

「否定の声も揃うとか相性抜群じゃん。」

どうやら河村さんは冗談のお上手な方のようだ。


「河村さん、Aが引いてます。自己紹介でもしたらいいんじゃないですか。」

川上さんツッコミが入る。

「はいよ、河村拓哉です。TQC入ってるからAさんのことは知ってたけど、来てくれた日は行けなくて残念だった。」

『なるほど……』

まともな所もあるのか。

でもさっきから河村さんの手元が気になる。赤黒い液体で黄色い丸いものを煮詰めている……？


「なんですぐAは自己紹介忘れるの。」
川上さんの言葉ではっと我に返り、

『〇〇高校2年AAです。川上さんの弟子やらせて頂いてます！』

「うん、知ってた。よろしくねー。なんか伊沢もQuizKnockに勧誘しようとしてたし、長い付き合いになりそう。」

どうやら河村さんは綺麗で少しとっつきにくい見た目とは裏腹に面白い方のようだ。


『そうですね……！あの、さっきから気になってたんですけど、何なさってるんですか？』

「あ、俺も気になってました。なんか急に呼び出されたし」

川上さんも何かわからず首を傾げている。
少しアルコールの匂いがするような？


「これ？これはね……！」

少しもったいぶってから河村さんは言う。



「パインアメのワイン煮」

『「……え？」』

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