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「どちら様ですか？」
静かに一言問いかけた
しばらくの間待ったが
外から聞こえるのは強い雨の音のみ
ドアに顔を近づけ耳をそばだてると
小さな子供がぐずる声が聞こえた気がした
彼女はドアに設けられた覗き穴から
おそるおそる外を伺ったが
暗くて何も見えず、
防犯用のドアチェーンがかかっているのを確認してから慎重にドアを開けた
雷が鳴り響き、
月の光が厚い雲にさえぎられて
暗い外を伺うと
正面には誰もいなかった
不審に思い
少しドアを大きく開け隙間から顔を出すと
ドア横の壁に一人の男が
もたれかかっているのに気がついた
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作者名：shoyu | 作成日時：2020年3月2日 15時
