その後のふたり。

バレてもいい存在、でもバレたくない。ーリクエストー ページ27

「もう〜付いてこなくていいのに」


運転しようとしたAを無理やり助手席に座らせ、運転席に座った俺を見てぶつぶつ文句を言うA。


「文句言わない。
あんな事故あったばっかなのに、1人で出かけさせるわけ行かないし。で、どこだっけ？あそこでいい？」


コーヒーが飲みたいと言ったAが行きたい場所はきっとあそこのコーヒーショップ


うんと頷いたAを確認して、車を走らせる



「ごめん翔平、試合終わりで疲れてるはずなのに。」
「謝らないでよ、A
俺が好きでこうしてるだけ」
「ほんとー？」
「うん、ほんとだよ。こうやってAとドライブするのも久しぶりだから楽しいし」



俺がそう言うと本当に嬉しそうな顔してニコニコ笑って、俺の手を握ったA。
かわいなあー、一生大好きなんだろうなー。




「え、ドライブスルーじゃないの？」
「いいじゃん、たまにはゆっくりしよ」
「えーだけど、バレちゃうかも」
「バレるの嫌？
いこ、ほらあそこのテラス席あいてる」



困った顔をしてるけどきっとAもそうしたいはず。
たまには2人で外で過ごすのもいいよね。





2人横に座って、念のために被ってた帽子をAにかぶせた。
俺の顔はもう全世界に知られてるけど、もし万が一でAの顔バレたら嫌だし。
関係は別にもう、バレてもいっかなって思ってるけど、Aの存在を世間にバラしたくない。
んーーー、複雑。



「A、キスして」
「えー、いま？」
「うん、はやく」




人の視線を気にしながら恥ずかしそうに俺に触れるだけのキスしてきたA。
かわいい、かわいすぎ。


「それだけ？」
「だって人、いっぱいいるから」
「大丈夫だよ、誰も俺たちのことなんかみてない」
「そうかな〜？」


きょろきょろして周りを見渡すAの顎を持って
自分からキスする。



「翔平、いつどこでそんな技覚えたの？」
「Aだって、おなじだよ」



顔を見合わせて笑う。
お互い頼んだコーヒーは同じなのに交換して飲み比べした。
しあわせだな〜、Aが隣にいたらずっと俺は幸せ者だ。

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