恋愛 (ページ11)

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紫「ちょっと寄り道していかん？？」

『どこいくの？？』

紫「ひみつ」

ある日の放課後
廉は今日も部活で、2人だけでの帰り道

紫耀が突然そんなこと言い出した

行く
そう返事をすると、少しだけ口角を上げ
おっけーって軽い声が返ってくる

紫耀のうしろについて行ったこともない道に進んでく

狭い道を通って、まがって、階段をあがって
道には見えないような場所も通って

紫「とうちゃーく！」

『わぁ、きれい』

着いた場所は小さな広場

柵に手をかけ見えるのは綺麗な町の景色

紫耀も同じように柵に手をかけて2人で景色みる

雲ひとつない真っ青な空に、沈みかけてる夕日の光が射し込んで町の建物を照らしてる

幻想的で絵を見てるような感覚になる

紫「ここね俺のお気に入りの場所」

紫「なんと夜は星がよく見えるやで」

すごいやろなんて言う紫耀の顔も夕日の光に照らされて、いつもより綺麗でいつもより切なそうに見える

一緒にすごした日々の中で初めて見る顔だった

前を見る瞳は誰よりもまっすぐで
でもどこか悲しそうな、泣いてしまいそうな

『紫耀』

紫「ん？」

無意識に彼の名前を呼んでいた

まっすぐな瞳が私をうつす

その瞬間で胸がギューっと締めつけられる

いつもよりはやい心の音が痛くて苦しい

何か言葉をだそうとして、何も出なくて

目の前の紫耀の顔が滲んで見える

紫「なんで泣きそうになっとん、笑」

『え、いや、、ごめん。』

その一言で自分が涙目になってることに気づく

紫耀の大きな手が私の頭に触れて優しく撫でる

紫「よし、そろそろ帰るか」

『うん』

行きみちよりも少し遅くなる紫耀

少しだけ多くなった目が合う回数と、会話と

少しも変わらないつまんなギャグ

『ねぇ紫耀、それつまんない笑』

紫「は！俺の自信作やで？」

泣きそうになってた私を心配してくれたんだよね？

ありがとう

その行動にもまた反応する私の心

また君は私の心を痛くする