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■変態紳士について(企画派生) ページ48

とあるところの変態紳士がいました。

彼は大層子供が好きでした。

見るも、話すも、ティータイムするも、ハグするのも、頬擦りするのも、彼にとっては至福の時でした。

「でも何がどうなってこうなった?」

ガラス越しの面会室にて彼は一人そうごちりました。

どういう訳か、彼は未成年以下略の容疑で捕まっているのです。

彼はわかりませんでした。

身に覚えがないのです、確かに彼は子供は大好きです。

しかし、決して嫌がることはいたしません。

許可なくハグや頬擦りなど、よほどのことがない限りないのですから。

「ルイス・スタインフェルド」
「!」
「一人目の面会者だ」

監視の元、ガラスの向こうに現れたのは同僚の一人である橘碧だった。

碧は特に興味無さげにガラス越しのパイプ椅子に座ると彼を見ました。

「ミスター橘……」

弱ったように彼はガラス向こうにいる同僚を見ました。

少し時間を気にするようにしているようにも見えます。

「お、俺は何もしておりません。信じてください」
「信じるも何も、君が無実なら無実であると声を上げればいい話だよ」
「も、もちろん俺は無実であると声を上げています。ですが、正直こういう系統は冤罪でも捕まったら最後だと聞いていましてッ」
「そうなんだ。でも、君なら簡単に脱獄できるだろう?」

にこりと笑った碧はとんでもないことを言ったのでした。

脱獄なんて、と彼は言いますが彼の得意魔術は投影魔術です。

必要はものは彼の魔力だけで、あとは実行する気力があるかどうかのみ。

「あ、エレちゃんとデートの時間だからもう行くね」
「え、ちょっとミスター橘!」

碧はそう言うと面会室から出て行きました。

残ったのは厳しい目で見てくる監視員だけでした。

彼は思いました。

なんてことをいってくれた、のだと。

そしてまた、しばらくすれば監察員がまた言葉を吐きました。

「二人目の面会者だ」
「え?」

現れたのは同僚であり、属する機関の所長でもあるレオン・キャンベルでした。

「ルイス……」
「レオンさん」
「お前、とうとうやっちまったな……」
「いや違いますから!」

悲しそうに呟いたレオンに対して彼は鋭いつっこみを入れました。

「俺は無罪ですから!」
「でもお前、結構色々とやらかしてたじゃん。あっちでハグしたりこっちで頬擦りしたり、余罪いっぱいじゃん」
「あれは同意の元です!」

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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/  
作成日時:2020年7月12日 2時

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