ページ ページ45
「……ふむふむ、子ペンギン曰くならばガウェイン卿をと言っているな」
「ガウェインかー。公爵、門でなかなかあいつのヘイト買ってると思うんだけどさ」
「ははははは! 太陽の騎士たるガウェイン卿がそんな些細なこと気にしているはずあるまいさ」
アームを動かし、ガウェインの人形に。
ここでぼとりとアームから落ちるのが綺麗なフラグ回収だというのに、あろうことかガウェインの人形はそのままアームに運ばれて取り出し口の上まで。
ぼとりと落ちた先はもちろん取り出し口。
「……」
「……」
歓喜している鳥類二匹の傍ら、公爵とロホルトは顔を引きつらせた。
「え、これって許してるってこと?」
「いや違うな少年。おそらくあの子ペンギンを哀れんで一回で来てくれたに違いない、たぶん」
「そこは言い切れよ。じゃあ次は?」
歓喜している子ペンギンに聞けばランスロットの人形をと言ってくる。
途端に不機嫌になるのは泡沫の騎士であるロホルト。
「は? なんであのクソ野郎なんだよ? そこは初志貫徹でベディだろ」
「……ふむふむ、なんでもガラティーンを止めた時が無駄にイケメンだと思ったから先にランスロット卿を、らしい」
「ふざけんな、ガラティーンならベディも止めたじゃん」
「はーい、公爵いっきまーす」
「こいつッ」
しかしながら、一回で取れたガウェインの人形とはうって変わって取れないランスロットの人形。
上手いこと掴むのだがぼとりぼとりと顔面から落ちていくランスロットの人形。
「……うーむ、難しい」
「もっとやれ公爵。あのすかした顔面をもっと強打しろ」
「私念が酷いぞ少年。それにもっととなるとこの子ペンギンの所持金が乏しくなってしまうではないか」
「そこはメンフクロウにでも借りてでも顔面強打させ続けろ」
「闇金か何かかな?」
ロホルトの明確なる殺意を察知してか、次に動かしたアームによってランスロットの人形は回収されたのである。
「は? ふざけんな空気読めよ」
「さて、残った回数は六回。これで最後だが、はたしてルキウス兄君はきてくれるか……」
喜ぶ鳥類二匹を背に、取ったランスロット人形を振り回しているロホルトの傍ら公爵はアームを動かす。
太陽の騎士も湖の騎士も持ち上がったというのに、この忠節の騎士はもう持ち上がることさえも拒否し始めている。
そして最後の一回も、一度持ち上がるだけでぼとりと悲しげな音と共に落下。
忠節に騎士はやってはこなかったのだった。
終わり(涙)
□■ケルト人ですが、何か?(APH)→←◆求む、優しさ(若干映画関連)
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年7月12日 2時